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東邦亜鉛、悲願の資源黒字化へ-買収合戦から7年、市況回復は追い風

  • 4-6月期の資源事業が黒字転換、減価償却費減少や生産効率化で
  • 亜鉛価格は期初想定を上回って推移しており年間での黒字化も

「資源事業の利益感応度は大きく市況次第だが、市況はかなり追い風になってきている」。こう語るのは東邦亜鉛の山岸正明・最高財務責任者(CFO)。ブルームバーグのインタビューでオーストラリアの亜鉛・鉛の鉱山事業において現地操業会社を完全子会社化して以来、初となる今期(2017年3月期)の黒字化達成に期待を示した。

  東邦亜鉛の資源事業はオーストラリアで2つの亜鉛・鉛鉱山を操業するCBHリソーシズの業績を指す。03年にCBHの出資比率を10%から30%へと引き上げ、約20年ぶりとなる鉱山事業への進出を果たした。10年9月にはCBHをめぐり欧州最大の亜鉛生産会社ニルスターと激しい買収合戦を繰り広げた末、完全子会社化した。

  ところが、買収した11年3月期以降、資源事業は前期(16年3月期)まで6期連続の赤字と低迷。高品位の鉱石を計画通りに採掘できなかったことなどが原因。今年1月にはロンドン金属取引所(LME)の亜鉛価格が約6年半ぶりの安値となる1トン当たり1444ドルまで下落。CBHは前期に152億円の減損計上を迫られた。 

  一方、8日に発表した16年4-6月期決算では、資源事業の営業損益が3億2000万円の黒字(前年同期は1億4000万円の赤字)に転換。減損実施で16年4-6月期の減価償却費の負担が10億円改善したほか、操業改善などの効果もあった。

  山岸CFOは「減価償却費の減少に加えて、バック・イン・ブラック・プロジェクト(黒字に戻す)として一生懸命、現場で品質管理活動を行ってきた効果が出てきた」と説明。昨夏からは三菱商事出身で資源事業部長の嶋村登志雄執行役員がCBHの最高経営責任者(CEO)として現地に赴任、生産効率化のために陣頭指揮を執る体制も敷いた。

  東邦亜鉛は今期の亜鉛価格を1トン当たり1900ドルと想定。想定を100ドル上回れば年間6億円の営業増益要因となる。足元では2300ドル近辺で推移しているが「中国の需要急変などが起きるリスクには備えなければらない」と先行きには慎重。ただ、減損を実施したことで「損益分岐点は下がり、減損テストに対する抵抗力も強くなった」と語る。

  2つの鉱山のうちエンデバー鉱山は操業期間が残り2ー3年と短いこともあり、2月から操業率を25%にまで落とした。高品位の鉱床を掘り出すことが可能となったラスプ鉱山はフル生産を続けている。期初計画では今期のCBHの営業損益は3億円の赤字。市況次第では年間で黒字転換する可能性もある。「かなりの資金を投じた事業でもあり、当然これまでの損は取り戻していきたい」と述べた。

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