コンテンツにスキップする

8月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:中銀の緩和策は限界、相場に反映-JPモルガン

JPモルガン・チェースによれば、外為トレーダーは景気を押し上 げるために世界中で導入された緩和策が限界に達したとの確信を深めて いる。

ニュージーランド・ドルは一時2015年5月以来の高値に上昇。ニュ ージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は政策金利を引き下げた。

JPモルガンの為替・商品・金利調査責任者ジョン・ノーマンド氏 は「中央銀行が向こう数カ月間にわたり緩和局面を拡大あるいは延長す る可能性を示唆しない限り、市場参加者は緩和局面が終了したとの想定 で取引する傾向にある」と述べ、「今回の利下げで金利についてはこれ 以上の下振れはない。従って為替相場は反発する」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ニュージーランド・ドルは対米ド ルでほぼ変わらずの1NZドル=72.09米セント。一時は1.9%上昇し た。円は対ドルで0.7%下げて1ドル=101円96銭。

ニュージーランド中銀のウィーラー総裁は声明で通貨下落が「必要 だ」と述べた。声明発表後の記者会見では為替レート及ぼす中銀の影響 は「非常に限定的」と指摘、「正常な」状況であれば中銀はおそらく、 過剰な住宅市場を冷ますために利上げしているだろうと続けた。

バークレイズの外為・金利ストラテジスト、アンドレス・ジェイム 氏は各国の金融政策当局は異なる制約の下で政策を講じているが、「市 場が期待していたほどの効果は上げていない。違いがあるのは制約内容 だ。つまり日本銀行とニュージーランドの中銀では抱えている課題が異 なる」と指摘した。

さらに同氏は「マイナス金利や量的緩和といった措置が講じられて いるが、それらの対策も限界となりつつある」と付け加えた。

原題:Central Banks’ Waning Appetite Seen in Currencies, JPMorgan Says(抜粋)

◎米国株:企業経営陣による自社株買いが減少-指数は高値更新

米株式市場では直近2回の急落時に底値で買って大きな利益を得た 投資家が、今は市場から距離を置こうとしている。

調査会社ワシントン・サービスとブルームバーグがまとめたデータ によると、7月に自社株を購入した企業幹部や役員は前年同月比44%減 少し316人と、1カ月の人数としてはデータを取り始めた1988年以降で 最低だった。一方で売却したのは1399人で、購入者の数を大きく上回っ ている。企業は自社株買いを継続するものの、主要株価指数が過去最高 値を更新するのを横目に、高い役職につく社員は買いを控えている。

11日の米国株市場では、S&P500種株価指数は前日比0.5%高 の2185.79と、この1カ月で9回目の終値ベースでの過去最高値更新と なった。ダウ工業株30種平均は117.86ドル(0.6%)上げて18613.52ド ルで、こちらも最高値を更新した。

センター・ファンズのジェームズ・アベート最高投資責任者 (CIO)は「毎日のように事業のファンダメンタルズを注視している 人たちが、状況の悪化を目の当たりにしている」と分析。「加えて株式 バリュエーションが非常に高いこともあり、相場は調整を迎えやすい状 況にある」と指摘した。センター・ファンズは相場が下げる可能性に備 えてS&P500種のプット・オプション(売る権利)を購入したとい う。

11日の相場上昇で、S&P500種の株価収益率(PER、予想ベー ス)は18.6倍に上昇し、2002年以来の高水準となった。この日は特に、 メーシーズやコールズなど小売り株が大きく値上がりした。四半期決算 が好感された。またエネルギー株も上昇。製油会社の需要増加見通しか ら原油相場が上昇したことが手掛かり。

株式相場はここ最近の取引で過去最高値に上昇。予想を上回る決算 や経済データの改善、各国の中央銀行が成長支援を継続するとの楽観が 背景にある。S&P500種は、7月半ばにそれまでの最高値を上回って 以降はレンジ取引が続いており、24営業日続けて上下どちらの方向にも 1%を超えて動いていない。シカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティ指数(VIX)は2年ぶり低水準付近で推移してい る。11日は3.1%低下の11.68。

この日は電子商取引のアリババ・グループ・ホールディングが2カ 月ぶり高値に上昇。予想を上回る決算が好感された。アリババ株を保有 するヤフーは3.4%上昇。メーシーズとコールズは、1日の上昇率とし ては少なくとも7年で最大。

一方で、メーシーズが全店舗の14%を閉鎖する計画を発表したこと を受けて、ショッピングモール所有企業の株価は下落した。ハンバーガ ーチェーンを展開するシェイクシャックは6.2%安。4-6月(第2四 半期)の既存店売上高の伸びが市場予想に届かなかった。

原題:Insider Buying Evaporates While S&P 500, Dow Average Cap Records(抜粋)

◎米国債:下落、年内利上げ観測で-30年債入札後に下げが加速

11日の米国債相場は下落。年内の利上げ観測を背景に売りが優勢に なった。30年債入札で需要が今週の他の国債入札よりも弱かったため、 下げ幅を拡大した。

10年債は3日ぶりに下落。利回りは全ての年限で上昇した。30年債 入札では投資家の需要を測る指標の応札倍率が2.24倍と、3カ月ぶりの 低水準。10日の10年債入札では落札利回りが4年ぶりの低水準となり、 9日の3年債入札では需要が年初来で最高だった。

年内の利上げ観測が強まる中で投資家はさらに買いを入れるのをち ゅうちょしている。ブルームバーグがまとめた金利先物市場の動向によ れば、年内の利上げ確率は約49%。サンフランシスコ連銀のウィリアム ズ総裁は年内利上げが正当化されるとの見解を示した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏は「リスク選好のような取引だ。終日にわたって売り 圧力が強く、入札後も続いた」と指摘。次回の利上げについては「12月 が適切な予想のように感じられる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の1.56%。同年債(表面利率1.5%、2026年 8月償還)価格は99 14/32。

30年債利回りは4bp上昇の2.27%、2年債利回りは6bp上昇し て0.74%。

30年債入札では、海外中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占め る割合が61.5%と、先月の68.5%から低下。10日の10年債入札では間接 入札の割合は過去最高に近かった。

この日の入札ではプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラ ー)の割合が27.7%。前回入札では23.1%だった。

主要国中銀の緩和政策の影響で、利回りを求めて投資資金が米国債 に流入している。30年債入札では最高落札利回りが2.274%と、過去2 番目の低水準。先月は過去最低の2.172%だった。

ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツの債券 アナリスト、ジョン・キャナバン氏は「先月の需要の強さを考えると、 多少の落ち込みは予想していた。しかし、これまでの数字を見る限り、 海外と投資ファンドからの需要はいずれもまだ高い」と述べた。

原題:Treasuries Extend Decline as Demand Ebbs at 30-Year Bond Auction(抜粋)

◎NY金:下落、インドや中国で買い控え-年初からの上昇勢い失速か

11日のニューヨーク金相場は下落。産金業界団体ワールド・ゴール ド・カウンシル(WGC)によれば、インドと中国で買いが手控えられ ている。金は今年上期に40年ぶりの大幅高を記録した後、7-9月期に 入ってからの上昇率はわずか1.2%となっている。

ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、ロビン・バー氏は「ルピー建 て価格が割高なことや、金宝飾品へのさまざまな税金が需要を抑える要 因になる」と指摘。「買いがかなり弱いため、金はロンドン価格よりも 割引で取引されている」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後3時22分 現在、金スポット相場は前日比0.6%安の1オンス=1338.64ドル。

銀とプラチナ、パラジウムのスポットもそれぞれ下落した。

原題:Gold Rally Wobbles as High Prices Keep Indian Brides Waiting(抜粋)

◎NY原油:3週ぶり高値-サウジ発言で9月会合へ期待高まる

11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急反発し、3週間ぶり高値で引けた。 9月にアルジェで開かれる石油輸出国機構(OPEC)非公式会議への 期待が背景にある。ロイター通信によると、サウジアラビアのエネルギ ー相は同会合では市場を安定させるための行動について話し合う可能性 があると述べた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「9月 会合に関するサウジ発言を市場が重視したのは明らかだ」と指摘。「イ ランが目標にかなり近づき、サウジも柔軟性を高めた現在、今度は何ら かの打開策を導き出せる可能性は極めて高くなっている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比1.78ドル(4.27%)高い1バレル=43.49ドルで終了。一時は日中ベ ースで7月25日以来の高値となる43.86ドルを付けた。ロンドンICE のブレント10月限は1.99ドル(4.5%)上昇の46.04ドル。

原題:Oil Rises to 3-Week High After Saudi Comments on Producer Talks(抜粋)

◎欧州株:ストックス600指数、英EU離脱選択以降の下げ埋める

11日の欧州株式相場は上昇。スイスのチューリッヒ・インシュアラ ンス・グループやベルギーのKBCグループの業績が予想を上回ったこ とが手掛かり。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択してから ちょうど7週間後に、指標のストックス欧州600指数は国民投票以降の 下げ幅を埋めた。

チューリッヒ・インシュアランスは4.5%上昇。利益が予想ほど落 ち込まなかった。予想を上回る利益を計上したKBCは5.2%急伸。同 行は通期のアイルランド向け貸倒引当金の見通しを下方修正した。ドイ ツの電力会社RWEは4.1%上げた。赤字幅の縮小が好感された。原油 相場の反発を背景に、石油・ガス株や資源銘柄も上げに転じた。

ストックス600指数は前日比0.8%高の346.66で終了。一時の下げを 消し、ここ7営業日で6回目の上げとなった。同指数は5月以来の高値 に達し、200日平均移動も上回った。主要中央銀行が景気刺激策を講じ るとの楽観や予想を上回った米雇用統計も最近の相場上昇を支える要因 になっている。ボラティリティは1年ぶり低水準。この日の指数構成銘 柄の出来高は30日平均を約3分の1下回った。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「弱材料がないことから、相場上昇は続くだろう」とし、「利 回りを追求する昔ながらの問題が株式市場の支援材料で、例年市場を見 舞う脅威は今年前半に既に来た。ボラティリティが低く、薄商いである ため、弱気筋がショートポジションを築くのはより困難だ。これが私自 身を含めた市場関係者を強気にしている」と語った。

原題:European Stocks Erase Post-Brexit Plunge on Earnings Optimism(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債先物のインプライド金利低下-ECB措置で

11日の欧州債市場では、ドイツ10年債先物のインプライド金利は1 年3カ月ぶりの低水準に落ち込み、ボラティリティが低下している。

欧州中央銀行(ECB)の債券購入プログラムが国債の極端な価格 変動を防いでおり、これでユーロ参加国の国債利回りが低下し、国債を 割高にした。またこうした状況がスペインやイタリアなど周辺国の政治 的危機が及ぼす影響も軽減している。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「当局者が下す判断が国債市場を支える 要因とみられている」と述べた上で、「だが、利回りが既に極めて低い ことを鑑みると、ドイツ国債価格の上昇余地は限られている。市場はこ うした状況の板挟みとなっている」と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ドイツ10年債先物のイ ンプライド金利は今週、3.8%に低下。これは2015年4月以来の低水 準。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比2ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇のマイナス0.09%。同国債 (ゼロクーポン、2026年8月償還)は0.156下げ100.94。

原題:German Bonds Becalmed as ECB Pushes Volatility to 15-Month Low(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE