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ドル資金調達難、邦銀勢の頭痛の種に-10月の米新規則実施が背景

  • プライムMMFが実施を前にCPやCDの保有を減らしている
  • ドル建てLIBORやクロス通貨ベーシススワップが上昇

日本の銀行の中にはドル資金を渇望しているところもあるだろう。

  その背景には、米国で10月に実施されるマネーマーケット・ミューチュアル・ファンド(MMF)新規則を念頭に、ドル建てのロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が7年ぶりの高水準に上昇するとともに、円をドル資金に交換するコストを示すクロス通貨ベーシススワップが急上昇していることがある。

  新規則では、2008年の金融危機の際にMMFが見舞われたような解約殺到の再発を防ぐため、主にコマーシャルペーパー(CP)や譲渡性預金(CD)で運用するプライムMMFを対象に、ショック吸収のための流動性バッファーの増強を求めるとともに、解約制限を導入するのが柱だ。

Japanese Bankers Association Chairman Takeshi Kunibe Interview

全銀協の国部会長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  プライムMMFは銀行にとって短期資金の重要な調達源であり、一連の改革はMMFの安全性を高めるのが狙いではあるが、大手銀行が資金調達のためのプールの縮小という新たな現実への調整に努めるとともに、MMF自体も流動性の高い資産を積み上げる必要に直面し、短期金融市場には混乱が生じている。

  ドイツ銀行によれば、プライムMMFの運用のうち、企業や銀行が発行するCP、CDが約60%を占めるのが典型的だ。10月14日の新規則実施が近づく中、プライムMMFは投資家の解約を想定するか、流動性バッファーの増強を図ることを理由にCPやCDの購入を控えている。

   こうした動きは、無担保の短期ドル資金をプライムMMFに大きく頼る銀行に頭痛の種となるが、特に影響を受けるのは日本の銀行だ。JPモルガン・チェースのアナリストは、このようなドル資金調達のためのCP、CD発行残高が最も多いのは邦銀勢だと指摘した。

  ドイツ銀の推計では、プライムMMFのCP、CD保有は昨年10月以降、月平均250億ドル(約2兆5600億円)のペースで減り続け、6月末時点の最新データで6170億ドルと、過去最少。さらに7月には単月で500億ドルの減少となったと推計されている。

原題:There’s a Big Dollar Crunch Brewing in Markets(原題)

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