大林組の株価が大幅下落し、一時3年ぶりの下落率となった。米国子会社が事業に関わった米国超高層ビルが地盤沈下しているとの報道を受けて売りが先行している。

  大林組は一時、前日比8.6%安の919円まで下げ、2015年7月以来の安値となった。下落率としては13年5月以来最大。終値は49円(4.9%)安の956円。

  米国のサンフランシスコ・クロニクル紙は8月8日、米国サンフランシスコの高層ビル「ミレニアム・タワー」が16インチ(約40センチ)地盤沈下し、建物が傾斜していると報じた。

ミレニアム・タワー
ミレニアム・タワー
Photographer: Tony Avelar/Bloomberg News

  大林組の広報担当でIR課の木村嘉宏氏は、ブルームバーグの電話取材で「ミレニアム・タワーについて情報を集めているところだ。アメリカで建物が沈んでいるというニュースを把握している」と述べた。大林組は9日夜、子会社のウェブコーについて、「契約に従い適切に施工されていることを発注者との間で確認した」と発表した。

  ウェブコーは大林組の連結子会社で、所在地は米国カリフォルニア州サンマテオ市にあり、建築工事などを行っている。木村氏は「今後の対応について社内でいろいろと考える」と話した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の水谷敏也シニアアナリストは9日付のリポートで、株価急落の要因に関して、傾斜と地盤沈下の報道を受けて「修復工事等で想定外の費用を被る可能性があるのではないかとの懸念が広がったためとみられる」と分析。

  ただ、現時点で地盤沈下の原因が特定されていない点や、大林組が一括請負契約で受注したわけではないことなどを挙げ、「仮に修復工事を行う場合でも費用負担は限定的」として、「足下の株価は過剰反応している印象」と指摘した。

(9日送信記事で会社からの訂正に基づき第4段落を差し替えました.)
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