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堅調な米雇用統計も9月利上げは確実にあらず-労働市場のたるみ残る

  • 来月引き締めの確率、雇用統計発表後に高まる-FF金利先物が示す
  • 広義の失業率は悪化-利上げ前に成長率の改善が必要との指摘も

堅調な米雇用統計を受け、9月利上げ説の論拠は以前より強くなった。しかし、米金融当局の様子見姿勢を変えさせるには恐らく十分ではないだろう。

  ポイント72・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、ディーン・マキ氏は「7月の雇用統計が9月利上げの確率を高めたことは確かだが、なお50%をやや下回るだろう」と指摘。「今年数回にわたって目の当たりにしたように、米金融当局による引き締めがさまざまな形で予想通りに進まなくなることはあり得る」と述べた。

  米労働省が5日発表した雇用統計によると、7月の非農業部門雇用者数は前月比25万5000人増加。6月の数字は29万2000人増に上方修正された。7月の失業率は4.9%で変わらずだった。

  雇用統計を受け、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長ら金融当局者は、労働市場のスラック(たるみ)が引き続き解消に向かっていると、さらに自信を強める公算が大きい。

  ルネサンス・マクロ・リサーチの米経済担当責任者ニール・ダッタ氏は「8月の雇用統計もこのような数字となれば、年内2回の利上げを見込んでいる関係者の主張はかなりの裏付けを得ることになる」と指摘した。

  フェデラルファンド(FF)金利先物の動きは、9月20-21日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの確率が、雇用統計発表後に26%に高まったことを示している。4日時点では18%だった。12月利上げの確率は48%。

  ただ、7月の雇用統計は労働市場のスラックが全て解消されたわけではないことも示した。

  経済の悪化でパートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は9.7%と、前月の9.6%から上昇。経済的理由からパートタイムで働いている人の数は594万人で、前月の584万人から増加した。職探しをあきらめた人は59万1000人に増え、5カ月ぶり高水準だった。

  カナディアン・インペ リアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)のチーフエコノミスト、エイブリー・シェンフェルド氏は「9月利上げが時宜を得たものになるには、データが依然として不明瞭過ぎる。製造業部門のトレンドはなお弱い。金利を上げ始める前に、上期に弱かった成長率の数字が改善される必要がある」と述べた。

  米金融当局は昨年12月に約10年ぶりの利上げを実施して以来、FF金利の誘導目標を0.25-0.5%に据え置いている。

原題:Fed Comfort in Upbeat Jobs Data Doesn’t Guarantee September Hike(抜粋)

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