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【債券週間展望】長期金利は低下か、30年債入札が買いの好機との見方

  • 水準的には良いところまで来た-三井住友AM
  • 一段の金利上昇リスクも、そこは絶好の買い場-マスミューチュアル

来週の債券市場では長期金利の低下が予想される。日本銀行の金融政策に対する不透明感は残るものの、年度初めの利回り水準に達した超長期債や、その水準を上回る中期債の売りに一服感が出てきており、30年国債入札では投資家の需要を期待する声も出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、2日の10年債入札不調を受けてマイナス0.025%と4カ月半ぶりの水準まで急上昇した。その後は買い戻されてマイナス0.10%からマイナス0.08%前後で推移した。英国の利下げを含む追加緩和を受けて欧米金利が低下すると、この日は一時マイナス0.105%まで下げた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「30年債や40年債が年度初めの水準にほぼ到達し、先行きが不透明な中でさらに売るのも躊躇(ちゅうちょ)される。利回り曲線がベアフラットして全体的な金利上昇を促した中期債は期初の利回り水準を上回っており、本来の実勢水準に戻ったとも言える」と指摘。「来週は投資家の押し目買いに支えられ、相場の戻りを試す展開」と予想する。

新発10年物の343回債利回り推移

  日銀の岩田規久男副総裁は4日の講演で、9月に行う「総括的な検証」は2%の物価目標の早期達成を果たすためで、金融緩和の程度を緩めることはないとの認識を示した。三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッドは、「政策見直しへの警戒感は薄れつつある」とした上で、8日発表の7月の金融政策決定会合の「主な意見」について「何を検証するかの手掛かりになる」と指摘した。

  財務省は9日に30年国債入札を実施する。51回債のリオープン発行となり、表面利率は0.3%に据え置かれる見込み。発行額は前回と同額の8000億円程度となる。

  今週の新発30年物51回債利回りは一時0.41%と4月25日以来の高水準を付けた。三井住友アセットの深代氏は、「業者のポジションが傷んで積極的にリスクを取れないと思うが、絶対金利水準から投資家の買いが入って無難に切り抜ければ相場は落ち着く」とみる。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、入札前後は値動きの荒い展開を予想するものの、「緩和縮小観測については現状では行き過ぎ」と言い、「10年スワップ金利などを見ると程よい調整になったと判断できる。まだ一段の金利上昇のリスクはあるが、現状ではそこは絶好の買い場と判断できる」とみている。

市場関係者の見方
*T
◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
*入札をいくつか消化するまで調整終了とはなりにくいが、水準的には良いところまで来た
*米雇用統計発表後に利上げ時期観測が早まるかどうか
*長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.05%

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*目まぐるしい動きのままでは入札そのものの不透明感が高く、入札前後は荒っぽい動きに
*日銀のイールドカーブ全体を押し下げるという観点、超長期国債発行環境を確保する観点から、総括的検証の結果、一段の緩和を行う可能性もある
*長期金利の予想レンジはマイナス0.14%~マイナス0.04%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀の金融緩和政策の不透明感から投資家も上値追いには慎重も、主要国の長期国債利回りは低位安定が見込まれ、国内債相場も徐々に落ち着く
*物価目標の達成にめどが立たない日銀が国債買い入れ減額を決定する可能性は低く、日銀の国債買い入れオペが相場の下値を支える状況に当面変化ない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.06%
*T

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