コンテンツにスキップする

【日本株週間展望】小動き、決算一巡手掛かり欠く-日銀ETF下支え

8月2週(8ー12日)の日本株は小動きとなりそうだ。企業決算発表の一巡で手掛かり材料に乏しい中、投資家の多くが夏季休暇に入り、売買は盛り上がりにくい。米国の利上げ後ずれ観測で為替が円高に振れ、株価が下げる可能性がある半面、日本銀行の上場投資信託(ETF)買いが下支え役を果たす。

  国債入札の不調で国内長期金利が急上昇、日米金利差が縮小した第1週のドル・円は7月11日以来、再び1ドル=100円台までドル安・円高が進んだ。さえない米経済統計が嫌気され、一段と円高が進むリスクに警戒感は根強く、日本株の重しになる。金利先物が示す12月の米利上げ確率は4日時点で37%、1週前の45%から低下している。12日に発表される7月の米小売売上高は、市場予想で前月比0.4%増と前の月の0.6%増から伸びが鈍化する見通しだ。

  国内主要企業の4-6月期決算発表は峠を越え、9日に清水建設や鹿島、第一生命保険、東京海上ホールディングス、10日に日揮や損保ジャパン日興興亜ホールディングス、12日に電通や東芝、日本郵政などの発表を残す。円高の影響で輸出企業を中心に減益決算となる企業は多かったが、為替要因を除けば想定ほど悪くない、というのが市場のコンセンサスだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、東証1部3月期企業(金融除く)の4-6月期は、発表済み企業59%の段階で前年同期比6.4%減収、経常利益は19%減。通期計画に対する進捗(しんちょく)率は経常利益で25%と、2005年度以降の平均24%を上回っている。

  日銀によるETF購入額の増額も、日本株の下支え要因となる見通し。7月の金融政策変更でETFの年間買い入れペースをほぼ倍増させたことを受け、4日のオペレーションで従来型ETFを707億円購入、政策変更前の336億円や2、3両日の347億円から一気に増やした。大和証券の木野内栄治チーフ・テクニカルアナリストは、年間で日経平均株価を2000ー3000円引き上げる可能性がある、との見方を示す。第1週の日経平均は週間で1.9%安の1万6254円45銭と続落した。このほか第2週には、国内で8日に景気ウオッチャー調査、12日に株価指数オプションの特別清算値(SQ)算出もある。

≪市場関係者の見方≫

  • アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー

「日銀の700億円規模のETF購入を実際に見せられると、日本株は売り崩しにくいとの意識が市場に広がっていこう。一部低調な企業決算が効果を見えにくくしているが、全体の売買代金がさほど膨らまない中、そのインパクトは大きい。7月の雇用統計で米景気認識の極端な変化は想定していない」

  • ヴィレッジ・キャピタルの高松一郎最高投資責任者 (CIO)

「小動きを予想。10日までに四半期決算がほぼ一巡し、 その後は夏枯れとなろう。過去数日、良品計画やニトリホールディングスなど市場をアウトパフォームしてきた高成長株に解約売りが出ている印象。株式市場から資金が流出している可能性があり、注意が必要だ」

  • レオス・キャピタルワークスの湯浅光裕ファンドマネジャー

「円高にもかかわらず、内需系企業が足元で大きく売られるなど先行きの想定がしにくく、不透明感が非常に強い。ファンドの解約や期末に向けたヘッジファンドのポジション調整などが背景にある。投資資金の流れが大きく変化している可能性があり、良好な決算でも素直に評価されないケースも目立つ。米国の年内利上げは難しい。米雇用統計後も為替水準に大きな変化はなく、日本株は軟調な推移となりそうだ」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE