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【インサイト】英国のクジラ、中銀は手なずけて大暴れ回避できるのか

世界の中央銀行は市場にモンスターを誕生させた。このモンスターが突然牙をむくことがないよう、中銀はえさをやって手なずけることに一生懸命だ。

  超低金利政策はしばらく効いたが、政策金利は今や下がり過ぎたので、もっと革新的な措置が求められるようになった。

  これにイングランド銀行(英中銀)は4日、応えた。大方の予想通りに2009年以来の利下げに踏み切っただけでなく、事実上の信用トレーダーになることを決めた。投資適格級の社債最大100億ポンド(約1兆3300億円)相当を購入する選択をした。600億ポンド相当の国債購入策も発表した。   

  企業の新発債を買う予定はないが、格付け会社少なくとも1社が投資適格とする企業から1カ月以上前に発行された債券を購入対象とする。英中銀のこうした発表が予想より相当に積極的な内容だったことは債券市場の反応に示されており、英国債の30年物利回りは過去最低を付けた。

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  そして、英国の大企業の社債は大幅に値上がりした。

  社債購入は欧州中央銀行(ECB)が始めた異例の措置だ。ECBの購入を受け、ユーロ建ての投資適格級の社債は今年これまでに5.6%値上がりしている。ECBはこの社債購入がユーロ圏経済を押し上げたとの認識を示すが、投資家の多くは納得しまい。

  投資ロジックからすれば、独シーメンスやボッシュなどのユーロ建て債の利回りがマイナス になるのは理にかなわない。また、中銀が債券購入を継続し金利を異例の低水準に維持することで市場の期待を上回り続けるえさやりが終われば、その途端に現在の市場力学は失われるとの懸念が増しつつある。

  英中銀当局者らは、欧州連合(EU)離脱選択という英国民投票がもたらした重大な変化への「緊急対応」で行動していると主張する。カーニー総裁は4日の記者会見で、同中銀の行動で経済見通しが改善し、その効果が時間とともに蓄積されるとの認識を示した。必要があればプログラム拡大の選択もできるとしたが、マイナス金利導入については一線を画した。

(Another) Bond Boom

Vodafone's borrowing costs in Britain are getting even lower from the rate they locked in days ago

Source: Bloomberg

  しかし、中銀は「飛んで火に入る夏の虫」状態にますます近づいている。あまりに市場をゆがめているので、政策面での失望があれば相場は劇的に混乱しかねない。例えば、日本銀行の先週の決定だ。利下げもなく、国債購入拡大もなし。すると、日本国債は13年以来の大幅値下がりとなり、その影響は世界の債券市場に飛び火した。

  英中銀にはあまり選択肢がなかった。EUとの歴史的な関係を離れるという激動のプロセスの中にある英国経済を支える責務が同中銀にはある。市場のモンスターは現在、与えられるえさに満足しているが、いつまでも満腹でいることはできない。金融政策による景気刺激をとりそろえたビュッフェの提供が終われば、中銀はモンスターをてなずけるのにてこずるだろう。

  (このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:A British Credit Whale Dives In to Roil the Market: Gadfly(抜粋)

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