コンテンツにスキップする

債券上昇、英利下げや日銀買いオペ支え-超長期ゾーンの金利上昇一服

更新日時
  • 新発2年債利回りマイナス0.195%、長期金利一時マイナス0.105%
  • 英利下げで各中銀の金融緩和政策が続きそうとの見方-三井住友AM

債券相場は上昇。イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利を引き下げたことなどを受けて、欧州や米国市場で国債が買われた流れを引き継いだほか、日本銀行が長期国債買い入れオペを実施したことが手掛かりとなった。

  5日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比29銭高の151円68銭で開始し、一時は151円70銭まで上昇した。午後に入ると151円51銭まで伸び悩む場面があった。結局は22銭高の151円61銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「米雇用統計の発表も控えて動きづらい面もあるだろう。英国の金融緩和も基本的には予想されたことだが、世界経済の減速に対して各国がいろいろ政策を打っている中、日本だけ金利が上昇するのはどうかという見方も本質的にはあるのではないか」と指摘。「日銀の金融政策に対する不透明感は残るものの、30年債や40年債が年度初めの水準にほぼ到達しており、さらに売るのも躊躇(ちゅうちょ)される。さすがに超長期ゾーンの金利上昇も一服感が出てきている」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.105%で開始した。午後に入ってマイナス0.085%に戻す場面もあった。新発2年物の367回債利回りは1.5bp低いマイナス0.195%、新発5年物の128回債利回りは2.5bp低いマイナス0.195%まで低下した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッドは、「日銀決定会合以降、政策の検証で緩和縮小があるのではないかとの思惑が出ていたが、昨日の岩田規久男副総裁の発言を受けて政策見直しへの警戒感が薄れつつある。英国の利下げを含む追加緩和もあり、各中央銀行の金融緩和政策が続きそうとの見方から、債券は買いが優勢となっている」と述べた。

  新発20年物の157回債利回りは2bp低い0.28%で開始。いったん0.30%に売れらた後、0.285%に戻した。新発30年物の51回債利回りは一時2.5bp低い0.38%まで低下した。新発40年物の9回債利回りは2bp低い0.465%で取引された。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「緩和縮小観測については現状では行き過ぎとみられ、10年スワップ金利などを見ると程よい調整になった。まだ一段の金利上昇のリスクはあるが、現状ではそこは絶好の買い場と判断できる」と語った。

日銀買い入れオペ

  日銀がこの日実施した今月3回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「3年超5年以下」の応札倍率が前回から低下した。一方、「1年超3年以下」と「5年超10年以下」は上昇した。

  岡三証の鈴木氏は、オペ結果について、「5―10年の応札倍率は下がらなかったが、3―5年は低下しており、中期ゾーンもどんどん金利が上がっていくムードではなくなりつつある」と分析した。  

  4日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比4bp低下の1.50%程度で引けた。英国の欧州連合(EU)離脱選択に伴う影響に対応するため、イングランド銀行は同日、約7年ぶりの利下げに踏み切り、資産購入枠の拡大と銀行向け貸し付けプログラムを含む包括的な刺激策を打ち出した。これを受けて欧州で債券が買われ、世界的に国債買いの展開となった。

  日本時間の今晩に7月の米雇用統計が発表される。ブルームバーグの調査によると、非農業部門雇用者数は前月比18万人増加が見込まれている。6月は28万7000人増加だった。三井住友アセットの深代氏は、「12月までに米利上げという見方がどうなるか。米経済は悪くないが雇用統計受けて金融政策の見方が変るのかを見極めたい」と話した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE