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超長期社債ブーム曲がり角か、緩和政策継続に限界との見方-金利上昇

更新日時
  • 今年の年限20年以上の社債発行は、昨年の倍以上の2.43兆円
  • 金利上昇リスク懸念で価格下落、発行停滞の可能性-大和証

日本銀行のマイナス金利政策以降、利回りの乗った超長期の社債が投資家の人気を集めていたが、ここにきてブームが曲がり角を迎えつつあるとの見方が浮上してきた。金融緩和策が限界に近づきつつあるとの見方から、債券利回りが上昇(価格は下落)に転じ始めており、投資家の懸念が強まっているからだ。

  ブルームバーグのデータによると、年限20年以上の超長期社債の年初来発行額は、前年同期の倍近い2.43兆円にまで増加。20年の国債利回りは7月6日に一時ゼロを下回っていたが、日銀の金融政策決定会合が行われた7月29日以降は上昇に転じ、8月4日に0.3%に乗った。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、国内社債の平均利回りも7月27日の0.1%から8月3日には0.23%に上がっている。

  日銀は7月29日の決定会合で追加緩和に踏み切ったものの、政策金利(マイナス0.1%)の引き下げや国債買い入れの増額は見送った。また黒田東彦総裁は、次回会合で緩和政策の「総括的な検証」を行うと発言。検証結果次第では、超長期国債の買い取り減少や金利上昇につながる可能性があると、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチや大和証券は指摘する。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda News Conference

黒田総裁(7月29日の会見)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは、「投資家は低金利環境が今後も継続するか、さらに進むという考えに陥っていたため、超長期の社債を購入していた」と指摘。黒田発言で「金利が上昇し、これがターニングポイントになるのではという懸念がある中では、長期の社債価格は下落する可能性がある」と語った。比較的格付けが低かったり、超長期債の発行実績が少ない企業の場合、発行が難しくなることがありえるという。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「金利がどんどん下がっていると何でもいいから買うみたいな雰囲気があったが、今は金利が上がりそうなので少し待とうという感じではないか」と話し、投資家は買い急いでいないとの見方を示した。

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金利はまだ低位

  みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストは、現在の金利水準であれば「投資家のアペタイトも、発行体のアペタイトもこの程度なら気にならない」としたが、日銀による金融政策の総括に関しては「依然としてどういうものなのか不安材料として残る」と述べた。

  野村証券のデット・キャピタル・マーケット部次長の河田寿氏は、日銀の決定会合以降も「金利が上昇してもまだ低位にあるので発行体のニーズはあると思う」と話した。

(第6、7段落を追加して更新しました.)
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