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日銀ETF購入、4日は金額倍増-出動1回の押し上げ効果拡大へ

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日本銀行が日本株の上場投資信託(ETF)の買い入れ額を倍増させた。7月の金融政策決定会合で政策を変更して以降、2営業日連続で購入金額の増加は小幅にとどまっていたが、今後は日銀出動時の相場の押し上げ効果が大きくなるとの見方が市場関係者の間で出ている。

  日銀は4日、従来枠のETFを707億円購入した。これまでの1日当たりの買い入れ額最高は2012年5月の397億円で、これを大幅に更新した。2日と3日には同額の347億円を買い入れていた。7月29日の会合では、ETFの保有残高を現行の年間約3兆円から約5兆7000億円へほぼ倍増させることを決定。「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」対象の3000億円枠を含めると、約3.3兆円から約6兆円に増やす。2日には買い入れ額増額について、財務相と金融庁長官から認可を受けたとも発表していた。

  東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、過去の経験則では認可が下りた2日後から金額が増加していたとし、「反対意見があることなどから日銀は金額を大きく増加させずに回数を増やすとみていたが、金額を増やして買い方はこれまでと一緒となる可能性が高くなった」と言う。また、倍増程度の金額なら、日銀は「市場に大きな影響を与えないと考えているようだ」とも話す。

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日銀の黒田総裁

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg *** Local Caption *** Haruhiko Kuroda

  日銀は7月、8営業日でETFの買い入れを実施した。仙石氏は、日銀はTOPIXの午前終値での下落率を基準に午後に買い付けるかどうかを決定していると分析。7月の動向をみると、前引けが0.2%安だった7日に買い入れた半面、0.4%安だった29日は買いを見送るなど発動条件は一定していなかった。今月2日の午前終値は0.8%安、3日は1.4%安、4日は0.2%安だった。

  年間5兆7000億円ペースで買い入れるには、平均の月間購入額は4750億円となる。1回当たり707億円で消化するには、単純計算で1カ月に6.7日買う計算だ。

  購入枠増額を決める直前の7月28日の買い付け額は336億円。政策変更を受けた2、3両日の増加率は3.3%だったが、4日は一気に2.1倍となった。日銀は2014年10月31日にETFの保有残高を年間1兆円から3兆円に拡大した際、10月の1回当たり147億円から11月には380億円と2.6倍に急増させた経緯がある。購入金額が倍増したことで、「1回当たりの効果はこれまでより出やすくなる」と、東海東京調査の仙石氏は予想する。

  今週の日本株市場では、日銀のETF購入をめぐる観測が株価変動に影響を与えたとの見方が広がっている。3日の取引ではTOPIXが午後に下げ幅を拡大した半面、4日は午後になってプラス転換するなど、特に午後に入って大きく動いた。SMBCフレンド証券投資情報部の中村晋二チーフストラテジストは、「3日は購入金額が変わらなかったとの観測から午後は失望につながり、4日は午前の下落率が低かったにもかかわらず、買いが入ったとのうわさがあるなど複合要因から買われた」とみていた。

  野村証券の荒木智浩アナリストはリポートで、「年初から日数が経過した7月の時点で年間買い入れ額を約2倍に拡大した日銀は、ETFの買い入れペースを相当速める必要がある」とし、「4日は早速その効果が株式相場に現れた格好」と指摘した。

  日銀の発表によると、ETFの約6兆円の買い入れについて佐藤健裕審議委員は、「市場の価格形成や日本銀行の財務健全性に及ぼす悪影響などを踏まえると過大」と言及、木内登英審議委員は「財務健全性への影響のほか、株式市場のボラティリティを高める。株価を目標にしているとの誤ったメッセージになる」とし、共に反対した。

(8段落にアナリストの見解を追記します.)
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