日本銀行に大胆な金融緩和を求めてきた衆院議員の山本幸三元経済産業副大臣が地方創生担当相として初入閣した。2011年の東日本大震災直後に復興財源を賄うため、国債20兆円を日銀が直接引き受けるよう主張するなど筋金入りのリフレ派。安倍晋三首相とは野党時代に金融政策に関する勉強会を重ね、アベノミクスの形成に関与した。山本氏は規制改革担当なども兼務する。

  1948年8月8日生まれの67歳。衆院当選7回。旧大蔵省出身で宮沢喜一元首相の蔵相時に秘書官を務めた。日銀に大胆な金融緩和を求め、白川方明前総裁に国会で論戦を挑んできた。13年2月には物価変動率の目標を定める政府との協定締結を明文化した独自の日銀法改正案を公表している。山本氏は3日午後、官邸で記者団から金融政策や日銀法の改正について入閣後も発言を続けるかと問われ、「それはもちろん必要ならやらないといけない」と語った。

山本幸三氏(左から2人目)
山本幸三氏(左から2人目)
Photographer: The Asahi Shimbun via Getty Images

  日銀の岩田規久男副総裁、浜田宏一内閣官房参与らとも親しく、ゴールデンウイークには毎年訪米して米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長とも意見交換する関係だ。第2次安倍政権発足後は自民党有志議員による「アベノミクスを成功させる会」の会長として経済政策を提言してきた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長は山本氏について「アベノミクスの仕掛け人。そういう人が閣内にいれば、アベノミクスについてより近い立場でアドバイスができる」と指摘。地方創生担当相として入閣後も「金融政策と日銀は山本氏にとってのライフワーク、片時も信念は揺らがないと思うし、ウオッチも続けると思う」とも語った。

消費税

  消費税率の10%への引き上げ延期をめぐっては1回目に首相が決断した14年11月には増税の1年半延期を首相に提言して後押し。2回目の延期を決める際にはむしろ増税は予定通り実施した上で、16年度から18年度にかけて低所得者への現金給付や熊本地震対策基金の創設などを含めて最大37兆円の追加的な対策を実施するよう求めた。

  15年4月のブルームバーグのインタビューでは、白川前総裁時代 の日銀はインフレに対する「過度なまでの懸念」や、金融政策の「小出し、後出し対応」をとる体質があり、現在も白川時代の「遺伝子がまだ残っているのではないか」と指摘。黒田東彦総裁が日銀の「伏魔殿」に「侵されつつあるのかな」と発言した。

  首相は11年10月に出演したBSフジの番組「プライムニュース」で、山本氏の主張を最初は「うさんくさいのではないか」と思っていたと指摘。その後、金融政策について勉強を重ねるうちに「日銀は大切なところで間違っている」と気付いたことを明かしている。

  3日の内閣改造後の記者会見で首相は「地方創生相は、野党時代からアベノミクスを私と共に練り上げてきた山本幸三さんにお願いした。高市総務相と力を合わせ、活力あふれる地方の未来を描いてほしい」と語った。

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