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8月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が対ドルで上昇、トレーダーの予想とは逆の動きに

外国為替市場では、ドル・円相場が先物市場で予想されていた動き と逆の展開となり、動揺が広がっている。

2日の外国為替市場では円がドルに対して急伸し、3週ぶり高値を 付けた。日本政府が発表した経済対策に失望感が広がった。一方でドル は下落。ドルは先週、米金融当局が政策引き締めで緩やかな道筋を示唆 したことや、4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)が予想を 下回る伸びにとどまったことなどを手掛かりに週間ベースで下落してい た。

円とドルの動きは、ヘッジファンドなどが先物市場で過去1カ月に 予想してきたものと反対となっている。トレーダーらは、米金融当局の タカ派姿勢や日本による金融・財政面での大規模な政策パッケージを見 込み、円に対する強気ポジションを減らす一方でドルの強気ポジション を増やしていた。

ウニクレディト銀行のバシレイオス・ギオナキス氏はブルームバー グテレビジョンのインタビューで、「大規模な追加量的緩和やヘリコプ ターマネーの話が出ない限り、ドルは対円で今後下落するだろう」と述 べた。同氏は、円が年末までに1ドル=95円に上昇すると予想してい る。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比1.5%高の1 ドル=100円89銭。一時、7月11日以来の高値を付けた。主要10通貨に 対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6% 下げた。ユーロは対ドルで0.5%高の1ユーロ=1.1224ドル。

商品先物取引委員会(CFTC)によれば、ヘッジファンドなど大 口投機筋が建てている円のネットロングはここ数週間にほぼ半分に減 少。一方で、ドルのネットロングは2月以来の高水準に増えた。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン 在勤)は日本の経済対策について、市場は「この経済対策が、日本をデ フレから脱却させる特効薬にはならない」ことを認識しているとし、 「リスク選好が急激にディフェンシブ方向に向かいつつある」と続け た。

円は先週大きく上昇。日本銀行は金融政策決定会合で、指数連動型 上場投資信託(ETF)の買い入れ額を決定。一方で、マイナス金利は 据え置いた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の ストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏は「経済対策の事業規模 は28兆円だが、真水の部分はその4分の1にすぎない」とし、「政策当 局が市場の期待を上回らない」新たなサインだと加えた。

原題:Currency Traders Had Divergence Bet Backward, Yen’s Surge Shows(抜粋)

◎米国株:4週間ぶりの大幅安、世界経済の腰折れ懸念が再燃

2日の米株式相場は続落。4週間ぶりの大幅安となった。原油安に 加えて、個人消費に勢いがないことから世界経済が腰折れするとの懸念 が再燃し、売りが膨らんだ。

7月の自動車販売台数が失望を誘う内容となり、自動車株が安い。 小売株はここ5週間で最大の下げ。ファイザーは2.5%安。利益と売上 高が予想を上回ったものの、通期見通しを据え置いたことが嫌気され た。アップルは1.5%下げ、ハイテク株全体を圧迫した。

S&P500種株価指数は前日比0.6%下落して2157.03で終了。ダウ 工業株30種平均は90.74ドル(0.5%)安の18313.77ドルで終えた。7日 続落し、過去ほぼ1年で最長の連続安となった。

スチュワート・キャピタル・アドバイザーズのマルコム・ポーリー 最高投資責任者(CIO)は「現在、買いを入れて株価を押し上げてい く理由はない。バリュエーションの観点から見ても下げは不可避だ。通 年では横ばいあるいは下落になるとみている」と述べた。

S&P500種の予想株価収益率(PER)は18.3倍と、約10年ぶり の高水準。一方、予想を上回る企業決算のほか、各国中央銀行が景気刺 激に向けて緩和策を維持するとの観測が株価を下支えており、主な株価 指数は最高値に近い水準で推移している。

この日発表された6月の米個人消費支出(PCE)は市場予想をや や上回る伸びとなり、個人所得の伸びを上回った。今週後半には雇用統 計、供給管理協会(ISM)非製造業景況指数や製造業受注が発表され る。

S&P500種構成企業では約3分の2の企業が第2四半期決算を発 表。そのうち約80%で利益が予想を上回り、売上高が予想を上回ったの は57%となっている。アナリストの利益予想は3.2%減と、7月中旬 の5.8%減から減益率が縮小している。

S&P500種の10セクターのうち9セクターが下落。選択的消費株 が1.5%安と下げが最もきつい。工業株や金融株、ハイテク銘柄も下げ た。一方、エネルギー株は0.9%高。原油相場が下げに転じ、上げを失 う場面もあった。

原題:U.S. Stocks Fall Most in Four Weeks Amid Renewed Growth Worries(抜粋)

◎米国債:下落、 低利回り「リスクに見合う価値なし」とグロース氏

2日の米国債は下落。ジャナス・キャピタル・グループの債券ファ ンドマネジャーであるビル・グロース氏(72)は、最も安全とみなされ ている資産のリスクは高過ぎるまでに上昇していると指摘した。

ジャナス移籍前にパシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用していたグロース氏 は、過去1カ月間にオーストラリアから米国まで国債利回りが過去最低 を更新したことを受けてソブリン債にあらためて警戒感を示した。かつ てないほどの上昇局面に潜む危険は、反転すると投資家に手痛い打撃が 及ぶことだとグロース氏はみている。2日は日本国債が急落し、それが 債券市場全体に波及した。

グロース氏は「過去最低にあるソブリン債利回りには、リスクに見 合う価値はない。従って今は買い物リストのトップにはない。リスクが 高過ぎる」と指摘、「低利回りは債券が特に打撃を受けやすいことを意 味する。少しの上昇でも大幅な価格下落をもたらす可能性があるから だ」と続けた。

日本や欧州で金融政策当局がマイナス金利や緩和策を導入し、投資 家は国外の資産にリターンを求めていることから、債券価格は世界的に 押し上げられた。日本の10年債入札結果によれば需要は5カ月ぶりの低 水準だった。ドイツや英国、米国でいずれも利回りが上昇した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%) 上昇して1.56%。過去最低は7月6日に記録し た1.32%。

投資家は世界の中央銀行による金融政策の見通しを見極めようとし ている。先週の日本銀行の金融政策決定会合では大きな政策変更がなか ったことから、追加緩和の選択肢がなくなりつつあるとの見方が広が た。

ラボバンク・インターナショナルのストラテジスト、マシュー・ケ アンズ氏(ロンドン在勤)は、「日本の量的緩和は当局が望む効果をも たらさなかったことが証明されている」と述べ、「同様の状況が今の欧 州に見られる。日本の過去数十年と似たような状況が米国でも起きるの だろうか」と問いかけた。

フィッチ・レーティングスもグロース氏の見解と同様だ。同社は2 日、利回りが仮に2011年7月の水準に上昇した場合、37兆7000億ドル規 模の投資適格級ソブリン債市場で最大3兆8000億ドルの損失が生じると の推計を明らかにした。

フィッチは「投資適格級のソブリン債利回りが今年大きく低下した ことは、突然の金利上昇が世界中の債券投資家に大規模な損失をもたら すリスクをあらためて高めた」と指摘した。

原題:Bill Gross Says Record-Low Bond Yields ‘Aren’t Worth the Risk’(抜粋)

◎NY金:6営業日続伸、アベノミクスが後押し-ドル安も支え

2日のニューヨーク金先物相場は過去6週間余りで最長の6営業日 続伸。日本政府が事業規模28.1兆円に上る経済対策を閣議決定したこと が支援材料になった。ドルが下落したことも、代替投資としての金の妙 味を高めた。

ハイ・リッジ・フューチャーズ(シカゴ)の金属取引担当ディレク タ ー、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「世界的に中 央銀行の刺激策が続いていることが、金を押し上げている」と指摘。 「相対的なドルの弱さも支えになっている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比 1%高の1オンス=1372.60ドルで終了。6日続伸は6月16日以来の最 長。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ先物10月限は中 心限月としては2015年4月以来の高値をつけた。パラジウムは昨年10月 以来の高値。COMEXの銀先物も上昇した。

原題:Abenomics Gives Gold a Boost, Extending Best Rally in Six Weeks(抜粋)

◎NY原油:続落、終値で40ドル割れ-ブレントも弱気相場入り

2日のニューヨーク原油先物市場ではウェス ト・テキサス・イン ターミディエート(WTI)先物が続落し、ほぼ4 カ月ぶり安値で引 けた。米国株につれ安したほか、世界経済の成長不安 が再燃したこと を嫌気した。前日のWTIに続き、この日はロンドンの ブレント原油 が弱気相場入りした。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「株価が下げているため、リスクオフは決 定的となった」と指摘。「ドルの軟調にもかかわらず、原油は勢いよく 下げている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比55セント(1.37%)安い1バレル=39.51ドル。4月7日以来の安値 で引けた。ロンドンICEのブレント先物10月限は34セント下げ て41.80ドル。

原題:Oil Drops Amid Global Growth Concerns and Oversupply Worries(抜粋)

◎欧州株:3週ぶり安値、銀行が売り浴びる-原油安で石油株も安い

2日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が続落し、 3週間ぶりの安値に沈んだ。銀行株がこの日も売りを浴びた。まちまち の決算を見極める動きの中、原油安が石油・ガス銘柄の重しとなった。

ドイツのコメルツ銀行が9.2%下げるなど、業種別19指数の中で銀 行株指数は最もきつい値下がりとなった。同行が通期利益目標を断念 し、減益となると警告したことが嫌気された。石油株ではフランスのト タルと英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルの下げが目立った。原油相場が 1日に弱気相場入りしたことを受け、石油株が売られた。5%急落した ドイツのフォルクスワーゲン(VW)を中心に自動車株も安い。韓国当 局が同社の80モデルの販売を禁止したほか、バイエルン州が排ガス不正 をめぐり訴訟も辞さない構えを示したことが売りにつながった。

ストックス600指数は前日比1.3%安の335.47で終了。域内の主要銀 を対象にした最新のストレステスト(健全性審査)の結果でほとんどの 銀行が危機に際して十分な資本を保有していると判定されたものの、投 資家はテスト結果を額面取りに受け取らなかったことから、前日も値下 がりした。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「銀行が現在のような低コスト環境で利益を得るとあまり信じ られていないようだ」と発言。「1-3月(第1四半期)の主因の1つ だった原油価格がまた材料視されている。状況は変わっていない。主要 産油国の生産量が依然として多過ぎる」と付け加えた。

ドイツのDAX指数は1.8%安と、4週間ぶりの大幅安。小売企業 メトロは8.7%値下がり。ルフトハンザ航空は3.2%下げた。インフィニ オン・テクノロジーズは4.9%安となった。

原題:European Stocks Decline to Three-Week Low as Banks Extend Losses(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債続落-低調な日本の入札結果で世界的な国債売り

2日の欧州債市場ではドイツ10年債が続落。日本で行われた10年利 付国債入札の低調な結果を受け、世界的に国債が売りを浴びる展開とな った。

欧州債や英国債のほか、米国債の利回りも上昇。日本国債の新発10 年物利回りは3月以来の高水準を付けた。最低価格と平均価格の差であ るテールは昨年3月以来の水準に急拡大した。

日銀が先週末の金融政策決定会合で緩和策を微調整するにとどまっ たことから、金融緩和の拡大余地は限界に近づいているとの見方が強ま った。

ラボバンク・インターナショナルのストラテジスト、マシュー・ケ アンズ氏(ロンドン在勤)は、「日本における量的緩和は政策当局が期 待していたような効果を上げていない」とし、「欧州でも同様の現象が 繰り広げられつつある」と語った。

ロンドン時間午後1時7分現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇のマイナス0.034%。同 国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価格は0.649下げ100.343。前日 は2bp上げていた。

原題:Global Bonds Fall as Weak Demand at Japan Auction Sparks Selloff(抜粋)

--取材協力:楽山 麻理子.

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