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米国債:下落、 低利回り「リスクに見合う価値なし」とグロース氏

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2日の米国債は下落。ジャナス・キャピタル・グループの債券ファンドマネジャーであるビル・グロース氏(72)は、最も安全とみなされている資産のリスクは高過ぎるまでに上昇していると指摘した。

  ジャナス移籍前にパシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用していたグロース氏は、過去1カ月間にオーストラリアから米国まで国債利回りが過去最低を更新したことを受けてソブリン債にあらためて警戒感を示した。かつてないほどの上昇局面に潜む危険は、反転すると投資家に手痛い打撃が及ぶことだとグロース氏はみている。2日は日本国債が急落し、それが債券市場全体に波及した。

Risky Bonds

  グロース氏は「過去最低にあるソブリン債利回りには、リスクに見合う価値はない。従って今は買い物リストのトップにはない。リスクが高過ぎる」と指摘、「低利回りは債券が特に打撃を受けやすいことを意味する。少しの上昇でも大幅な価格下落をもたらす可能性があるからだ」と続けた。

  日本や欧州で金融政策当局がマイナス金利や緩和策を導入し、投資家は国外の資産にリターンを求めていることから、債券価格は世界的に押し上げられた。日本の10年債入札結果によれば需要は5カ月ぶりの低水準だった。ドイツや英国、米国でいずれも利回りが上昇した。

   ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇して1.56%。過去最低は7月6日に記録した1.32%。

  投資家は世界の中央銀行による金融政策の見通しを見極めようとしている。先週の日本銀行の金融政策決定会合では大きな政策変更がなかったことから、追加緩和の選択肢がなくなりつつあるとの見方が広がた。

  ラボバンク・インターナショナルのストラテジスト、マシュー・ケアンズ氏(ロンドン在勤)は、「日本の量的緩和は当局が望む効果をもたらさなかったことが証明されている」と述べ、「同様の状況が今の欧州に見られる。日本の過去数十年と似たような状況が米国でも起きるのだろうか」と問いかけた。

  フィッチ・レーティングスもグロース氏の見解と同様だ。同社は2日、利回りが仮に2011年7月の水準に上昇した場合、37兆7000億ドル規模の投資適格級ソブリン債市場で最大3兆8000億ドルの損失が生じるとの推計を明らかにした。

  フィッチは「投資適格級のソブリン債利回りが今年大きく低下したことは、突然の金利上昇が世界中の債券投資家に大規模な損失をもたらすリスクをあらためて高めた」と指摘した。

原題:Bill Gross Says Record-Low Bond Yields ‘Aren’t Worth the Risk’(抜粋)

(最終4段落を加えます.)
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