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国債市場にはびこる高所恐怖症、異次元緩和の限界説が投げ売り誘う

更新日時
  • 黒田緩和の終了をイメージした過剰な動き-マスミューチュアル
  • 10年債入札、市場予想を下回り低調な結果-テール拡大

日本国債が約3年ぶりの急落-。日本銀行による金融緩和政策が限界に近づいているとの思惑が、投資家の高値警戒感をあおっている。

  長期金利の指標となる国債の新発10年物利回りは2日、一時マイナス0.025%とプラス圏へと急接近した。前日比の上昇幅は10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を超え、3月16日以来の高水準を付けた。先週末からの上昇幅は2013年4月以来の大きさだ。

<前週末以降の国債利回り曲線の動き>

On the Rise

  「狂ったように売っている。黒田緩和の終了をイメージしている動き。全般的にどこまで行くのか分からない状況。投げ売り状態でオーバーシュートしてしまう感じ」。マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、債券相場の急落をこう表現した。

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バンジージャンプ(ニュージーランド)

Photographer: Brendon O’Hagan/Bloomberg News

  日銀は先週末の金融政策決定会合で、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ増額などを決めた一方で、政策金利マイナス0.1%と長期国債買い入れ額は据え置いた。国債市場で期待が高まっていた金利を一段と押し下げるような追加緩和策はなかった。

  黒田東彦日銀総裁の金融緩和の拡大余地は限界に近づいているー。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)や榊原英資元財務官ら市場関係者からは、こうした指摘が相次いだ。一方、黒田総裁は、政策発表後の会見で、これまでの量的緩和やマイナス金利政策について限界に来たことは全くないと指摘。マイナス金利は「まだ深掘りしていく余地がある」と述べた。

  国債市場にはびこる高値警戒感は、2日の10年利付国債入札の低調な結果にもつながった。最低落札価格が市場の予想中央値を下回り、最低価格と平均価格の差であるテールは27銭と昨年3月以来の水準に急拡大。投資家の国債に対する需要の強弱を反映する応札倍率は3.16倍と前回の3.64倍から低下した。

<2003年のVARショック時との比較>

Bond Bubble Deja Vu Looms in Japan

  現在の国債市場の動向は、3カ月間で金利が約3倍に急騰した2003年のVAR(バリューアットリスク)ショック時に酷似している、と投資家、エコノミストなどが指摘。当時は銀行などの損失リスク試算モデルを上回ったことがきっかけとなった。佐藤健裕審議委員は6月、「わずかなプラスの利回りを求め、超長期国債の購入に向かう足元の動きには03年のいわゆる『VARショック』前のような危うさを感じる」と発言していた。

<日本国債とドイツ国債の比較>

Tantrum Time?

  国債利回りの急上昇は、2015年4月にドイツでも見られた。当時、ギリシャと債権者による債務問題をめぐ協議が続く状況下、投資家が安全資産を求めてドイツ国債に資金が流入。その後、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和により流動性が減退し、値動きが増幅される中で、急上昇した。

<日銀の国債保有残高とボラティリティ(変動率)>

日銀が国債市場を独占

  日銀の大規模な国債買い入れにより、国債の流動性が枯渇し、市場機能が低下している。日銀は過去最高となる発行残高の約3分の1以上を保有し、最大の国債投資家となっている。ボラティリティは1999年以来で最高に達している。CLSAジャパンのストラテジスト、ニコラス・スミス氏は、ブルームバーグラジオとのインタビューで、「これまで日銀はできることは全て行った思う」と述べた。

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