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政府:「21世紀型インフラ」に10.7兆円、クルーズ船の港整備など

更新日時

政府がまとめた総額28兆円規模の経済対策の概要が2日、明らかになった。このうち「21世紀型のインフラ整備」は事業規模10.7兆円に上り、2020年の訪日客4000万人を実現するための受け入れ体制を整え、中長期的に成長する基盤を構築する。

  発表資料によると、政府は年内をめどに「観光インフラ整備プログラム」を策定。ハード面では大型クルーズ船用の港湾整備、空港駐機場の整備など首都圏・地方空港の機能強化、鉄道駅・バスターミナルなどのバリアフリー化などに取り組む。ソフト面では宿泊施設の容積率の緩和やWiFiの利便性向上、鉄道・バスの多言語環境の整備などを行うとしている。

Tourists Arrive On The Quantum Of The Seas Cruise Liner As Shanghainese Lead China's Tourism Surge In Japan

博多港に入る中国からのクルーズ船

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  安倍晋三首相は3月に開催した観光ビジョン構想会議で、観光事業を成長の柱の一つとし、観光先進国の実現に向けまい進すると発言。訪日外国人旅行者数の目標を20年に4000万人、30年には6000万人にすると述べた。今回の対策でも観光を「地方創生の切り札」と位置付ける。

クルーズでの訪日さらに拡大へ

  構想会議では、20年に目標とする訪日客4000万人のうち、クルーズ旅客数500万人の実現を目指すとしている。国土交通省の資料によると、15年にクルーズ船による入国客数は、前年の2.7倍となる過去最多の111万6000人だった。クルーズ船は運賃が一般的に飛行機より割安で、中国からの利用が最も多い。

  全国クルーズ活性化会議(会長:林文子横浜市長)は先月、国交省に要望書を提出。海外からのクルーズ船が、港湾施設の岸壁が短かったり水深が不足していたり、岸壁施設の強度不足から安全に入港できないなどの問題を解決するよう訴えている。

  シティグループ証券の姫野良太アナリストは、訪日客「4000万人目標の達成には、東京、大阪など既存の観光ルートを太くすることでは限界がある」と指摘する。地方の自治体や企業などと連携して、これまでにない柔軟な発想の観光ルートなどを組み合わせて構築する」べきだと述べた。

  旅行関連のコンサルタントを行う観光文化研究所の代表、大坪敬史氏は「号令をかける国と自治体や民間の地方金融機関などの意思統一が不十分な部分があり、本当に設備投資の資金を必要としている地方の観光関連企業に資金が回っていないケースもある」と指摘。きめ細かい対応が必要だと述べた。

リニア新幹線

  経済対策にはリニア中央新幹線の全線開業の前倒しも盛り込まれた。JR東海は、15年12月に本格着工し、27年に東京-名古屋開業、45年に名古屋-大阪を完成させる計画。現在同社は名古屋までの開業後、それに伴う長期債務の削減などで最大8年間かけて経営体力を回復させた後に大阪までの延伸工事を始める計画だが、政府による低金利の財政投融資を活用することでJR東海の財務に負担を掛けることなく直ちに大阪までの工事に入れるようにする。

  JR東海の柘植康英社長は2日、文書でコメントを発表。「財投からの融資による経営リスクの低減」を生かし、大阪までの開通の「最大8年間前倒しに向け全力を挙げてまいります」と述べた。

  今回の経済対策が市場の評価を得るには時間が必要だと指摘する声がある。「このような大規模策はマーケットに即効性のあるものではなく、市場にじわりと効いてくる」と投資情報会社のDZHフィナンシャルリサーチ、野田和宏社長は指摘する。英国の欧州連合離脱に伴う混乱で「傷ついた株式市場の回復や景気の下支えにはなる」と述べた。

(第8段落以下を追加します.)
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