小池百合子氏「グリーン作戦」で291万票-都知事選でSNS駆使

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  • これまでにない都政を進めていきたい-当選確実受け小池氏
  • 東京五輪へ初の女性トップ、待機児童、防災、都議会改革など課題

舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選は31日投開票され、元防衛相の小池百合子氏(64)が政党が推薦した候補らに圧勝した。首都では初の女性知事誕生で、小池氏の任期は4年間で2020年の東京五輪・パラリンピックや、待機児童問題など都政の課題に取り組む。投票率は59.73%で前回を13ポイント超上回った。

  NHKが開票速報で当選確実と報道した31日午後8時すぎ、都内の事務所に姿を見せた小池氏。集まった支持者を前に「すべての支えてくれた方に心から感謝する」と満面の笑みを見せた。今後の都政運営に関しては「これまでにない、これまで見たことのないような都政を進めていきたい」と語った。五輪予算に関して都民の負担をあらためて明らかにすることや、舛添前知事の政治とカネをめぐる問題を検証する組織をつくることなどを明言した。

当選を喜ぶ小池氏

Photographer: Yuya Shino/Bloomberg

  日本で初の女性知事は00年に大阪府で当選した太田房江氏(現自民党参院議員)で、小池氏が7人目。小池氏は政党の推薦を受けずに、街頭演説やSNS(会員制交流サイト)などを活用して有権者に直接訴え、約291万票を獲得。自民、公明両党などの推薦を受けた元総務相の増田寛也氏(64)、民進、共産など野党4党が統一候補として擁立したジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)らを破った。約179万票だった次点の増田氏とは110万票以上の大差がついた。

  小池氏は19歳でカイロ大学に留学。テレビキャスターから政界に転身し1992年の参院選に日本新党から出馬し初当選。その後、衆院にくら替えし、新進党、自由党、保守党を経て自民党に入党。環境相、防衛相などを務めた。08年の自民党総裁選に女性として初めて挑戦し、5人の候補者中、麻生太郎、与謝野馨両氏に続く3位につけた。

政党推薦の候補者に勝利

  今回、主要候補3人の中で最も早く名乗りを上げた小池氏だが、自民党は元総務相の増田氏を擁立。小池氏は党籍を残したまま、推薦願いを取り下げて立候補し、自民党は事実上の分裂選挙となった。野党4党は参院選に続いて野党共闘の枠組みを維持し、民進党の岡田克也代表をはじめ各党幹部らが統一候補でジャーナリストの鳥越氏を連日応援した。

  小池氏には、自民党の若狭勝衆院議員や国会議員を引退した笹川堯元総務会長、地元の豊島、練馬両区の区議の一部、無所属の都議会議員らが支援した。小池氏は街頭で「たった一人の戦いだと思っていたら、世の中捨てたもんじゃない。仲間があちこちから駆けつけてくれている」と演説。若狭氏は「女性都知事になろうというにもかかわらず、それに反対する自民党の人がいる。おかしいですよね」などと党の対応を批判した。

百合子グリーン作戦

  「緑のものを一点身につけてお集まりください!」-。小池氏は、支援の輪を広げる取り組みとしてツイッターやフェイスブック、さらには若い世代に利用者が多いインスタグラムなどのSNSを活用。街頭演説の際に自身のイメージカラーの緑色の入った衣服などを着用して集まるよう呼び掛けた。政党や組織の動員に頼らず、インターネットを通じた呼び掛けで支援者を募り、メッセージを受け取った目印として演説会場を緑色に染めようという作戦だ。

  27日の渋谷区での街頭演説でも、緑色のTシャツやワンピース、タオルなどを手にした聴衆が多く集まった。小池氏も「皆、緑じゃないですか。ありがとうございます」と一体感を強く演出した。

  ツイッターのフォロワー数を比べると、小池氏が20万人を超えているのに対し、鳥越氏が約16万人、増田氏は約6600人(31日夕現在)。小池氏の陣営は、ツイッターやフェイスブックに選挙期間中、街頭演説に多くの人が集まっている光景や視察の様子などを頻繁に投稿。「最終盤、百合子グリーンがどんどん増えています」などと、こまめにコメントを寄せた。

(開票結果を受け、見出し、第1、3段落を更新します.)
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