7月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、GDPが予想下回り利上げ観測後退

29日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ドル指数はほぼ 2カ月ぶりの大幅安となった。第2四半期の米国内総生産(GDP)統 計が予想に届かず、年内の利上げ観測が後退した。

ドルは主要16通貨全てに対して下落した。商務省が29日発表した第 2四半期のGDP(季節調整済み、年率)速報値は前期比1.2%増。ブ ルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.5%増だった。 米連邦公開市場委員会(FOMC)は今週の定例会合後の声明で、「経 済情勢はもっぱらフェデラルファンド(FF)金利の緩やかな引き上げ に限って正当化する形で改善される」との見解を示していた。

ドルは今月、堅調に推移した。雇用や小売売上高、鉱工業生産など の指標が予想を上回ったため、今後数カ月間に利上げが実施されるとの 見方が広がったことが手掛かり。今後、市場の注目は8月5日発表の非 農業部門雇用者数に移りそうだ。日本銀行が打ち出した追加緩和策が予 想ほど積極的でなかったことは円買い材料となった。

アライアンスバーンスタインの運用担当者、アーナブ・ニリム氏は 「GDP伸び率はパニックを誘うほど弱くはないが、米金融当局が利上 げを見送る十分な根拠になる。非農業部門雇用者数が強い数字となれ ば、ドルは回復するだろう。それまでレンジ取引になりそうだ」と述べ た。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.9%安 い1ユーロ=1.1174ドル。対円では3.1%安い1ドル=102円06銭。主 要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指 数は6月3日以来の大幅安。

金利先物市場が示唆する年内の利上げ確率は34%。この算出は実行 FF金利が次回利上げ後のFF金利誘導目標レンジの中間になるとの仮 定に基づく。今月26日には利上げ確率は50%近くあった。FOMCは年 内にあと3回の定例会合を開催する。次回は9月20-21日。

原題:Dollar Plunges Most in 2 Months as Weak GDP Signals Fed on Hold(抜粋)

◎米国株:小幅高、S&P500種は月間で5カ月連続上昇

29日の米国株は小幅高。S&P500種株価指数は月間ベースで5カ 月連続高となった。朝方発表された第2四半期の米実質国内総生産 (GDP)の伸び率が予想より低かったことを受けて、米金融政策当局 が利上げを急ぐ理由はないとの見方が広がった。グーグル親会社のアル ファベットの決算を手掛かりにテクノロジー株が上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%上昇して2173.60。月間ベース では3.6%上昇した。ダウ工業株30種平均は0.1%下げて18432.24ドル。 ダウ平均は5日連続安となった。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、 マーク・ルッシニ氏は「市場は上昇意欲を妨げるかねないような材料は 全て取り除いているかのようだ」と述べた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は今週の会合で政策金利を据え置 き、利上げは漸進的なペースでのみ実行する意向をあらためて表明し た。また日本銀行は金融政策決定会合で主要な金融政策を据え置いた。 日銀は「次回会合で量的・質的金融緩和とマイナス金利付き量的・質的 金融緩和の下での経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行 う」こととし、黒田東彦総裁がその準備を執行部に指示した。

S&P500種採用企業のうち今シーズンの決算を発表した企業 の80%超で利益が予想を上回った。また売上高が予想を上回った企業 は60%弱だった。アナリストの予想では、S&P種企業の第2四半期決 算は4.5%減益となっている。

グーグルの親会社アルファベットは昨年12月以来の高値。四半期利 益が予想を上回ったことが好感された。アマゾン・ドット・コムも高 い。同社の売上高予想はアナリスト予想を上回った。シグナは下落。四 半期利益がアナリスト予想に及ばなかったほか、通期業績見通しを引き 下げた。エクソンモービル、シェブロンはいずれも決算が売り材料とな り下落した。

原題:U.S. Stocks Add to Monthly Gain as Alphabet Rallies on Earnings(抜粋)

◎米国債:週間ベースで堅調-GDPで政策金利の見通し変化

米国債相場は週間ベースで上昇。2年債相場は先週まで、5月以降 で最長の連続下落となっていた。29日発表された米国内総生産 (GDP)は低い伸びにとどまり、金融当局が数カ月以内に政策金利を 引き上げるとの見方が後退した。

4-6月(第2四半期)の米実質GDP(季節調整済み、年率)速 報値は前期比1.2%増と、伸びは市場予想の平均(2.5%増)の半分にも 届かなかった。

ジェフリーズ・グループのマネーマーケット・エコノミスト、トー マス・サイモンズ氏は「週の初めに見られたいくつかの明るいデータや 連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を受け、当局が9月にも引き締 めるのではないかとのわずかな期待が広がり始めたが、きょうのGDP データはそうしたセンチメントを反転させる内容だ」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.45%。週間では11bp下げた。

金融政策により敏感な2年債の利回りは0.66%で、週間では5bp 低下となった。前週までは3週連続で上昇していた。

先物市場に織り込まれる年内の利上げ確率は34%と、前日の45%か ら低下。確率が50%を超えるのは来年9月以降だ。

米国債はこの日早い段階では下落する場面があった。日本銀行は指 数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ額を拡大した一方、マイナ ス金利幅の拡大や長期国債の買い入れ増額は見送り、一部の市場関係者 の間で失望感が広がった。

原題:Treasuries’ Weekly Rally Signals Doubts About Fed’s Path Forward(抜粋)

◎NY金:続伸、ドル安や米GDP低調で-週間では2週連続高

29日のニューヨーク金先物相場は続伸。ドルの下落や第2四半期 (4-6月)の米国内総生産(GDP)成長率が市場予想を下回ったこ とを背景に、価値保存手段としての金の買いが減退した。金は週間ベー スでは2週連続の上昇。

ロング・リーフ・トレーディング・グループ(シカゴ)のチーフマ ーケットストラテジスト、ティム・エバンス氏は電話取材で、「利上げ の確率は低下した。それが今のドルと金に反映されている」と指摘。 「けさ発表されたGDPのような数字が一貫して出てくれば、利上げは 起こらないとの想定が成り立つ。金はそれを好感した反応になるだろ う」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日 比1.2%高の1オンス=1357.50ドルで終了。週間では2.8%上昇。銀先 物9月限は0.8%上げて20.347ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも上昇。

原題:Gold Futures Gain for Second Week on Dollar, U.S. Growth (抜粋)

◎NY原油:3カ月ぶり安値から反発、ドル下落で投資妙味

29日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が3カ月ぶり安値から反発。ドルの下落 で商品の投資妙味が高まった。月間ベースでは下げ、14%の値下がり。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリス ト、ティム・エバンス氏は、「ドルの軟調は少なくとも米国の原油市場 では若干の下支えになっている」と指摘。「潤沢な供給が原油価格に下 押し圧力を加えている一方、ドルの軟調は商品全般を支える傾向にあ る」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比46セント(1.12%)高い1バレル=41.60ドルで終了。一時は40.57ド ルまで下げた。週間では5.9%の値下がり。ロンドンICEのブレント 9月限は24セント(0.6%)下げて42.46ドル。同限月はこの日が最終取 引。

原題:Oil Rises From Three-Month Low as Dollar Spurs Commodity Rally(抜粋)

◎欧州株:月間ベースで昨年10月来の大幅高-銀行株が高い

29日の欧州株式相場は上昇し、指標のストックス欧州600指数は月 間ベースで昨年10月以来の大幅高となった。決算シーズンが本格化する 中、銀行株の上げが目立った。

英バークレイズは5.5%上昇。債券取引収入が欧州の競合銀行を上 回ったほか、2017年利益への非中核事業の圧迫が減ることを明らかにし た。スペインのバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア (BBVA)は3.7%上げた。四半期利益がアナリスト予想を上回った ことが好感された。フランスのナティクシスは7.6%値上がり。イタリ アのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは6.3%上げた。不良債権に 苦慮する同行は、事業改善案をUBSなどから受け取った。

ストックス600指数は前日比0.7%高の341.89で終了。月初来の上昇 率は3.6%に達した。この日遅くに銀行ストレステスト(健全性審査) の結果が公表される。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「2016年の主な懸念は下半期にリセッション(景気後退)に陥 る可能性だった。これまでそうした方向にある形跡はない」とし、「現 状に比べ大きく悲観していたと理解するのに一定の時間がかかった。多 くの企業の業績は予想を上回ったか、見通しを引き上げた」と語った。

銀行株指数は月間ベースで2015年2月以来の大幅上昇。08年10月以 降で最もきつい下げとなった6月から好転した。銀行株が買われたこと を手掛かりにイタリアのFTSE・MIB指数は2%上昇と、西欧市場 の主要株価指数の中で上昇率首位を記録した。

原題:Lenders Lead European Stocks to Best Monthly Jump Since October(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、米国債につれ高-米成長率が予想下回る

29日の欧州債市場ではドイツ10年債が3日続伸。4-6月(第2四 半期)の米経済成長率が市場予想を下回ったことを背景に上昇した米国 債につれ高となった。

欧州債の指標とされるドイツ10年債は、日本銀行の金融政策決定会 合の結果が期待に添うものでなかったことを受けて下げる場面もあっ た。日銀の政策が欧州中央銀行(ECB)の今後の方針にも影響すると の観測が強まった。

また、この日発表された7月のユーロ圏インフレ率が予想に反して 加速したほか、4-6月の域内成長率はアナリスト予想に一致する形で 鈍化するなど、英国の欧州連合(EU)離脱選択が域内経済に衝撃を与 えた初期の兆候を示した。

DZバンク(フランクフルト)の債券ストラテジスト、ビルギッ ト・フィゲ氏は「日銀は政策の限界近くにあるようだ」とし、「市場参 加者はこうした見方を欧州中央銀行(ECB)にも当てはめており、金 融政策を緩和し続けることはできないと見込んでいる」と語った。

ただ、米経済指標がこうした域内景気をめぐる懸念よりも相場動向 を大きく左右し、ドイツ10年債利回りはロンドン時間午後5時現在、前 日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下のマイナ ス0.12%。これは7月12日以来の低水準。前週末比では9bp低下し、 2週連続の下げとなった。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価 格はこの日、0.281上げ101.198。

原題:German Bonds Rise With Treasuries as U.S. Growth Falls Short(抜粋)

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