鉄鋼大手3社が赤字に転落、4~6月期-円高影響は計500億円に

  • 新日鉄住金とJFEは鋼材価格の下落と円高による輸出採算が悪化
  • 神戸鋼は中国での油圧ショベル販売減と貸倒引当金積み増しも影響

新日鉄住金JFEホールディングス(HD)神戸製鋼所の鉄鋼大手3社の2016年4-6月期の連結決算が29日出そろい、全社の純損益が赤字に転落した。中国の過剰生産に伴う海外市況の悪化で鋼材価格が下落したことに加え、円高が進んだことで輸出採算も悪化した。円高の影響は3社合計で約500億円の経常利益押し下げ要因となった。中間配当は3社とも見送ることを決めた。

  新日鉄住金の栄敏治副社長は「過剰能力、過剰生産、過剰輸出という中国の3つの過剰に伴う輸出マーケットの崩壊は一昨年から継続しており、前年同期と比べて国際価格はかなり下回っている」と鉄鋼事業を取り巻く環境を指摘。4-6月期の経常損益は121億円の赤字となり、524億円の黒字だった前年同期から965億円悪化した。四半期ベースでの経常赤字は合併前の12年4-6月期(単純合算で19億円の赤字)以来。付加価値の高いエネルギー関連の鋼材需要の減少も響いた。

  「世界的な鋼材の供給過剰による販売価格の下落や原料価格の下落による棚卸し資産の評価減、さらに足下で円高が急速に進行した影響も出た」とJFEHDの岡田伸一副社長は振り返った。同社の連結純損益は117億円の赤字(前年同期は173億円の黒字)となった。

  鉄鋼事業に加えて建設機械事業の不振も響いた神戸鋼の純損益は21億円の赤字(同119億円の黒字)。建機事業について同社の梅原尚人副社長は「為替の円高に加えて、中国での油圧ショベルの販売台数減や経済状況の一段の悪化で中国の取引先の財務状況が悪化しており、貸倒引当金を積み増したことが影響した」と述べた。

  業績予想の前提となる第2四半期(7-9月)以降の為替の予想水準は、新日鉄住金と神戸鋼が1ドル=100円、JFEHDが同105円とした。鋼材の輸出価格から原料費を差し引いたスプレッドの改善や国内の鉄鋼需要回復などを見込んでいることから、各社とも下期に業績が回復するとみている。
  
【鉄鋼3社の業績一覧】

   売上高 経常利益  純利益
新日鉄住金10511(-17%)-121(---)-146(---)
    ---1300(-35%)    ---
JFEHD 7407(-14%)-134(--) -117(--)
  --- 650(1.2%)    ---
神戸製鋼 4045(-12%)  46(-79%)  -21(--)
 17300(-5%) 200(-31%)  100(--)

(注:単位は億円、カッコ内は前年同期比増減率、上段が4-6月期実績、下段は通期予想)

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