【個別銘柄】金融株午後急騰、川重も大幅高、新日鉄住金安い (訂正)

訂正済み

29日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。

  銀行など金融株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前日比7.7%高の522円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が7.8%高など午後急上昇。日本銀行が29日開いた金融政策決定会合では、0.1%のマイナス金利を据え置いた。ブルームバーグが集計した調査では、今会合を含めて追加緩和を予想したエコノミストのうち64%がマイナス金利の深堀りを予想していた。大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストはリポートで、マイナス金利は銀行の収益に影響するとされ、銀行株は1月のマイナス金利政策の発表以降に相対的に出遅れたため、今回の決定を受けてこの分の修正が期待できるとの見方を示した。

  不動産株:野村不動産ホールディングス(3231)が6.1%安の1784円など軒並み下落。日銀がマイナス金利の深掘りを見送ったことで、住宅ローン金利の一段の低下は見込みにくく、住宅需要が伸びないとの思惑が広がったのではないか、と東洋証券の浜田享征ストラテジストは電話取材で述べた。

  野村ホールディングス(8604):13%高の469.2円。4-6月期純利益は前年同期比32%減の468億円と、アナリスト予想平均143億円を上回った。発行済み株式総数の2.6%、金額で450億円を上限として8月15日から自社株買いを行うことも同時に発表した。 

  富士通(6702):8.2%高の433円。4-6月期営業赤字は112億円(前年同期は同273億円)だった。SMBC日興証券では、営業損益は同証予想やコンセンサスを上回る改善で、比較的健闘した印象を受けるとした。

  川崎重工業(7012):8.5%高の307円。4-6月期営業利益は前年同期比7.6%増の160億円と29日午前に発表した。モーターサイクル&エンジン事業や航空宇宙事業などの増益が貢献した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、同社予想72億円を大きく上回りポジティブと評価している。

  新日鉄住金(5401):3.9%安の1950円。未定としていた2017年3月期経常利益計画を前期比35%減の1300億円と設定した。7-9月期の為替は1ドル=100円程度見込む。ブルームバーグによるアナリストの経常利益予想平均値は2103億円だった。野村証券では円高の悪影響の大きさを再認識させる厳しい計画と分析した。

  IHI(7013):6.7%安の291円。29日午後、17年3月期営業利益予想を650億円から580億円に減額修正した。円高の影響など織り込んだ。ブルームバーグによるアナリストの予想平均値は607億円だった。

  村田製作所(6981):1.9%安の1万2825円。4-6月期営業利益は前年同期比24%減の487億円だった。製品価格の下落や減価償却費の増加、為替変動が響いた。ブルームバーグによるアナリスト予想平均値は483億円。

  アイシン精機(7259):10%高の4745円。29日午後発表した4-6月期営業利益は前年同期比78%増の590億円だった。熊本地震の影響で未定としていた4-9月期営業利益は前年同期比13%増と設定。同時に発行済み株式総数の3.46%、金額で500億円上限に自己株を取得するとも発表した。クレディ・スイス証券では自社株買いは市場にとってポジティブサプライズであり評価されるだろうとみていた。

  日本通運(9062):8.7%高の523円。発行済み株式総数の4%、300億円を上限に自己株を取得すると29日午後に発表した。期間は8月1日から17年2月28日。

  東洋水産(2875):5.7%高の4580円。4-6月期営業利益は前年同期比17%増の72億1200万円と29日午後に発表した。国内即席麺事業が堅調に推移したほか、原材料価格の低下や物流コストの減少などが寄与した。

  三菱重工業(7011):4.1%安の443.1円。29日午後に17年3月期営業利益予想を3500億円から3300億円に下方修正した。前提為替を1ドル110円から105円など円高方向に見直した。新しい予想はブルームバーグによるアナリスト14人の予想平均3315億円を下回った。

  コマツ(6301):2.6%安の2019.5円。4-6月期営業利益は前年同期比40%減の298億円だった。17年3月期営業利益計画は前期比28%減の1500億円で据え置き。ジェフリーズ証券では、通期会社計画に対する利益の進捗(しんちょく)率は競合の米キャタピラーや日立建機に比べて低く、短期的に株価の重しになる公算が大きいと指摘した。

  日新製鋼(5413):3.8%安の1282円。29日午後に17年3月期の営業利益予想を255億円から170億円に下方修正した。原料市況や販売価格の状況、修繕後の生産設備の立ち上げ遅れの影響を踏まえた。新予想は ブルームバーグによるアナリスト3人の予想平均207億円を下回った。

  豊田通商(8015): 4.3%安の2286円。4-6月期の営業利益は前年同期比1.8%減の300億円だった、と29日午後1時40分に発表した。円高の影響を受け、主力の金属や機械・エネルギー・プラント、化学品・エレクトロニクスを中心に売上高が13%減少した。

  ALSOK(2331):8.5%高の5100円。4-6月期営業利益は前年同期比4.7%増の58億3400万円と29日午後に発表した。個人向けのサービス「ホームセキュリティBasic」の契約件数が順調に推移するなどで主力のセキュリティ事業は3.7%増益だった。

  テイ・エス・テック(7313) :9.7%安の2370円。28日に発表した4-6月期営業利益は前年同期比27%減の85億4700万円。円高による減収響く。SMBC日興証券では上期計画に対する進捗(しんちょく)率もやや低く、決算の印象はネガティブと指摘。為替が業績計画の前提より円高で推移していることもネガティブ要因になるだろうとみている。

  セイコーエプソン(6724):1.7%安の1834円。4-6月期営業利益は前年同期比57%減の69億7800万円だった。主力のプリンティングソリューションズ事業で大判インクジェットプリンターが減収、先行投資負担や為替の円高も利益を押し下げた。液晶プロジェクターなどビジュアルコミュケーション事業、ウエアラブル・産業プロダクツ事業も減収減益。700億円を見込む17年3月通期計画に対する進捗(しんちょく)率は10%。

  オムロン(6645):5.4%安の3440円。4-6月期営業利益は前年同期比40%減の97億9400万円だった。ブルームバーグによるアナリスト予想平均値は121億円。野村証券では4-6月期営業利益は市場予想を下振れ、内容も見どころが乏しかったと指摘した。

  関電工(1942):12%高の1003円。17年3月期営業利益計画を200億円から前期比34%増の220億円に上方修正した。民間建設投資の堅調を背景に屋内線、環境設備工事の収益性が向上したほか、コストダウンなど経営改革効果も寄与した。SMBC日興証券は総利益率の向上から同証予想を上回る好決算でポジティブとし、目標株価を980円から1150円に引き上げた。

  マキタ(6586):9.2%高の7250円。4-6月期経常利益は前年同期比25%増の185億円だった。主力の欧州を中心に販売は好調な一方、円高の影響を受け売上高は5.9%減ったが、原価率の改善などが寄与した。野村証券は数量増、元安メリット、未実現損益の改善で株価の短期的な反応はポジティブとの見方を示した。

  日立マクセル(6810):13%高の1730円。4-6月期営業利益は前年同期比13%減の11億1300万円だった。上期計画22億円に対する進捗(しんちょく)率は51%。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、営業利益は同証予想の10億円をやや上回り、株価への影響はポジティブと評価。円高や熊本地震のマイナス影響を打ち返し、例年よりも高い進捗率となっているとした。

  日立金属(5486):3.0%安の1153円。4-6月期純利益は前年同期比73%減の95億1200万円だった。アドバンストリサーチジャパンの黒澤真アナリストはきょうの急落について、前年同期に事業再編等利益を計上した影響でIFRS上の純利益が大幅に減少したように見える点が嫌気されたのだろう、と電話取材で指摘した。

  フジクラ(5803):11%高の584円。発行済み株式総数の3.39%、金額で60億円を上限に29日から自社株買いを行うと発表。野村証券では、このタイミングでの自社株取得発表は経営の株主還元に対する強い意識と業績面での一定の自信の表れと受け止められポジティブと評価。また、4-6月期営業利益が57億円と同証事前予想45億円を上回ったことについても、自動車電装の欧州や中国の需要が堅調でコスト削減も進展するなど予想以上の好調とした。

(日本通運の社名を訂正します.)
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