【コラム】FOMC声明は予想通り、だが但し書き付き-エラリアン

広く予想されていたとおり、米連邦公開市場委員会(FOMC)は27日までの2日間の協議で新たな政策措置をとらないという結論に達した。だが発表された声明には、大半の市場参加者が見込んでいた当たり障りのないものとはやや異なり、踏み込んだ内容が見られた。

  外国の景気減速で逆風が続いているため、金利を速やかに引き上げる必要はないとFOMCは判断した。だが5月に落ち込んだ労働市場が「力強さを増した」ことなど、米国内の景気は前向きな展開を強めているとの見方を示した。さらに特筆すべきは、「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」との指摘があったことだ。これは市場のコンセンサスよりもやや強い文言だ。

  興味深いことにこの言い回しをもってしても、少なくとも今のところは短期金利の上昇に結びつかなかった。

  数週間後に議事録が公開されればより明白になるのかもしれないが、今回の声明ではあまり明確でない点がある。それはFOMCメンバーが難しい決断を下す上で考慮に入れる特定の要因についてであり、それには複数の複雑な二律背反する要素が含まれるだろう。比較的堅調な国内経済と外国経済の低調さ、金融市場で短期の急変抑制と将来に不安定性が高まるリスク、金利を現在慎重に抑えることと、今引き上げて将来の景況悪化に備え政策対応の余地を創り出しておくこと、などだ。

  これらの複雑な相反する要素について、FOMC当局者は他の主要中央銀行の動向も注視するだろう。中でも日本銀行ほど、政策的な難題を抱えた中銀はない。高まる追加緩和期待の中で、日銀は2日間にわたる金融政策決定会合を28日に開始した。

  今年は予想外のマイナス金利導入を含め、日銀が打ち出した政策に対し市場は2度にわたって期待と逆の反応を示した。今回は参議院選挙を経て政府与党が基盤をさらに固め、安倍首相が経済対策と構造改革への意志を強めていることから、日銀当局者の政策見通しに対する感触も少しは改善しているかもしれない。

  FOMCや日銀、その他多数の中央銀行でも主な課題は変わらない。

  世界的な金融危機のピークからほぼ8年たつが、世界は依然として経済成長促進と金融安定確保で中央銀行に頼り過ぎている。これが長く続くほど、期待通りの成果を生む公算は小さくなる。日銀は政策がまったく無力、あるいは逆効果とは言わないまでも当初に比べ効果がはるかに落ちたことを目の当たりにした。

  中央銀行への過度の依存から、より包括的な需要管理と経済成長を促進させる構造改革などとを組み合わせた政策対応へと各国のかじ取りが遅れれば、他の中銀が日銀と同様の道をたどるリスクもその分大きくなる。

(エラリアン氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:The Fed Meets Expectations, With a Caveat: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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