GS出身の不動産起業家が狙う日本の民泊市場、稼ぐマンションへ

  • スター・マイカ社長:新法成立後、賃貸マンション800戸を民泊へ
  • 民泊支援のスクイーズにも出資、清掃や運営など関連サービス展開

「賃貸マンションの利回りは6-7%だが、民泊用になれば2倍以上になると思う」。東証2部上場の不動産会社スター・マイカの水永政志社長は、そう話す。中古マンションの販売や賃貸管理などを手掛けてきたが、インバウンド需要の拡大を商機と捉え、民泊解禁の新法成立を待って自社保有の賃貸物件を活用する方針だ。

  スター・マイカはゴールドマン・サックス証券で富裕層向けのブライベートバンキング事業に携わった水永政志氏が2001年に設立。GS証時代に築いた実績と人脈が奏功し、投資家として資金面で応援する顧客にも恵まれた。水永氏は、「民泊の広がりを止めることはできない」と述べ、賃貸マンション800戸を将来民泊事業に活用したい考えを示す。同社は東京を中心に賃貸マンション2500戸を保有している。

  安倍政権は観光を成長戦略の柱の一つに位置付け、20年の訪日外国人旅行者数の目標を現在の2倍の年4000万人、30年には6000万人としている。国内総生産(GDP)600兆円の達成に向けた政策の一環として、安倍首相は昨年10月の国家戦略特区諮問会議で「旅館でなくても短期に宿泊できる住居を広げていく」と述べた。「営業日数は年180日以下」とする民泊解禁策を規制改革実施計画に盛り込み、6月2日閣議決定した。

  水永氏はさらに、民泊市場の拡大に合わせて利用者のための予約や客室の清掃など関連サービス市場の伸びにも注目。同じくゴールドマン出身の20代若者たちが14年に起業した民泊運営支援サービス会社、スクイーズに出資しており、「こうしたオペレーター代行業が一つの産業になっている。スター・マイカとしてやる価値がある」と述べた。

関連サービス

  スター・マイカが出資するスクイーズは、自社開発のシステムを通じてエアビーアンドビーなど民泊サイトからの予約に対応するほか、清掃などのサービスも行う。現在手掛ける物件数は全国で約270件で、問い合わせ対応はバイリンガルの在宅ワーカーが世界10カ国で約30人程度に上るという。また空き室への宿泊が決まると、登録された清掃担当者が手を上げるクラウドワークシェアリングを採用している。

  スクイーズの舘林真一社長は、シンガポールで働いていた時に、北海道・旭川の自宅をエアービーアンドビーに掲載したら収入が「家賃の3倍以上入り、これは来ると思った」として、起業に踏み切ったという。5月には事業拡大資金としてベンチャーキャピタル大手のジャフコ、スター・マイカらを引受先として約4.2億円の資金調達を行った。

  東京や大阪など都市部中心にホテル不足が広がっている。みずほ総合研究所が昨年8月にまとめたリポートによると、20年には4.1万室のホテル不足が発生する可能性がある。世界文化遺産の登録施設が建ち並ぶ京都では、市が約2700件の民泊施設を調査したところ、旅館業法の許可を得た施設は7%にとどまり、約7割が無許可で営業していると推測されるという。

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