FOMC:金利据え置き-リスクは後退、労働市場に一定の改善

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米連邦公開市場委員会(FOMC)は26、27 両日に開催した定例会合で政策金利据え置きを決定。会合後に発表した 声明で「経済見通しへの短期的なリスクは後退、労働力の活用が一定の 増加を示した」と指摘、利上げに向けて状況が改善されているとの見方 を示唆した。

FOMCは「経済見通しへの短期的なリスクは後退した」と指摘し た。インフレと世界情勢については「引き続き注視していく」との6月 声明の文言を維持した。さらに、6月の雇用の伸びは「力強かった」と し、「労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せていることを示し ている」と記述した。

米金融当局は欧州連合(EU)離脱を選択した6月の英国民投票の ほか、5月に弱い内容となった雇用統計が6月に改善されたことなどを 勘案しながら、経済の進展状況を見極めようとしている。

コーナーストーン・マクロのパートナー、ロバート・ペルリ氏は 「用心しながらも、前向きな声明だと言える。今後の見通しに対する自 信がやや強まったことを示唆している」と述べた。

FOMCは「経済情勢はもっぱらフェデラルファンド(FF)金利 の緩やかな引き上げに限って正当化する形で改善される」との見通しを 維持したものの、次回利上げの具体的な時期には言及しなかった。

前回6月の会合以降の経済データについては「労働市場が力強さを 増し、経済活動は緩やかなペースで拡大していることが示唆された」と 指摘した。

FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジ を0.25-0.5%で維持した。昨年12月には7年間続いた事実上のゼロ金 利政策を解除し、0.25ポイントの利上げに踏み切った。

家計支出については「力強く伸びている」としながらも、企業の設 備投資は「軟調な状態が続いてきた」と指摘した。インフレ率は中期的 に2%の目標に戻るとの見通しをあらためて示した。

イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は世界的なショックに 加え、タイトな信用状況や低い生産性など国内要因に基づく向かい風の 中で慎重な政策を進めている。利上げ休止が予想外に長引いていること は、議長が力強い経済を示す明確な証拠や国際情勢リスクが弱まるのを 待っていることを示唆している。

ウィルミントン・トラストのチーフエコノミスト、ルーク・タイリ ー氏は「9月会合での利上げは現実に起こり得るとみるべきだが、当社 の基本シナリオではない。9月に向けて経済指標がかなり強くなれば、 何かできる立ち位置に当局はある」と語った。

声明は6月の雇用統計を「5月の弱い伸び」と対比させる格好とな った。6月の非農業部門雇用者数は28万7000人増となり、雇用が鈍化し ているとの懸念を払拭(ふっしょく)した。5月は1万1000人増だっ た。最近発表された経済指標は小売売上高や住宅着工件数、設備稼働 率、サービス業活動などいずれもエコノミスト予想を上回っている。

次回会合は9月20、21両日に開かれ、終了後に政策当局者の新たな 経済予想や金利予測を公表、イエレン議長が記者会見を行う。

カンザスシティー連銀のジョージ総裁は今回の会合で0.25ポイント の利上げを主張し、反対票を投じた。前回6月の会合では金利据え置き に賛成していた。

ブルームバーグがまとめた調査では94人のうち92人が金利据え置き を予想していた。声明が発表される前の時点で、FF金利先物が示す年 内の利上げ確率は五分五分に近い状況だった。

イエレン議長は8月26日にカンザスシティー連銀が主催するワイオ ミング州ジャクソンホールでの年次シンポジウムで講演する。議長は経 済状況をめぐるFOMC内の認識について話す可能性がある。

コーナーストーンのペルリ氏は「市場はその講演にかなり注目する だろう」と話した。

原題:Fed Says Risks Have Diminished as It Leaves Rate Unchanged (1)(抜粋)

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