個人は日本株に慎重姿勢、信用残示す-レバレッジETF売り最高

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米国経済の堅調や国内の政策期待を支えに7月中旬から急速に戻した日本株市場。英国の欧州連合(EU)離脱ショックも和らぎ、相場の底割れリスクは着実に減退しているものの、信用取引の残高動向をみる限り、個人投資家は日本株への慎重姿勢をなお崩していない。

  日経平均株価は英国ショックによる6月24日の安値1万4952円を起点に、7月27日の終値1万6664円まで11%上昇した。一方、個人の株式投資に対するマインドを表す信用取引の状況は、買い残から売り残を引いたポジション(持ち高)の水準がアベノミクス相場の初動期以来、およそ3年5カ月ぶりの低さとなっている。

  みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、信用残ポジションの低さについて「個人投資家の株価の先高期待が低下しているため」と分析。株価指数はレンジ内の動きとなっており、「円高で将来の業績下方修正の懸念がある中、上値追いには慎重。レンジ下限に近づくと買うが、上限に近づけば売るスタンスにある」と言う。

  東京証券取引所によると、22日申し込み時点の信用買い残(東京・名古屋2市場、制度・一般信用の合算)は2兆2186億円と前の週末から701億円増加、売り残は65億円減り6709億円だった。買い残から売り残を引いた額は1兆5478億円で、2013年3月8日(1兆4449億円)以来の低水準だ。

信用買い残、売り残の推移とトータルポジション

  日経平均はことし2月以降、おおむね1万7000円を上限、1万5000円を下限としたレンジ内で推移している。滞留時間が長いのは1万7000-1万6000円で、レンジ相場の持続を見込む個人は「1万6000円を割れると押し目買いで信用買い残が増え、売り残は減る。1万7000円に近づくと買い残が減り、売り残が増える動きになりやすい」とみずほ証の三浦氏は話す。

  13年3月当時の信用残ポジションの低さは、売り残が横ばいで推移する半面、アベノミクスへの期待で信用買い残が徐々に増え始める局面で起こった。直後に日本銀行が異次元金融緩和策を打ち出し、日経平均は1万2000円台から2カ月あまりで4000円近く急騰した。一方、今回は売り残の横ばいは同じだが、買い残は年初から低下の一途をたどっている。

  個人投資家の日本株に対する先高期待の乏しさは、通常の2倍の上昇率を享受できるレバレッジ型上場投資信託(ETF)の信用残の推移からも明らかだ。「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(愛称:日経レバレッジ指数ETF)」は2月以降、買い残が低下傾向にある半面、売り残は7月に入り急増。15日時点で456万株と12年4月の上場来最高に達し、22日時点も400万株と高止まりしている。

株価ボードを見る個人投資家

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は28ー29日に金融政策決定会合を開く。みずほ証の三浦氏は、「会合で追加緩和があると予想しているエコノミストは8割だが、過去2週間の株価上昇で追加緩和期待はある程度織り込んだ。緩和しても、好材料出尽くしで売られると個人は思っている」と指摘。日銀会合後もレンジ相場は変わらない、と個人投資家の多くが予想しているとの認識を示す。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によると、今回追加緩和を行うと予想している比率は78%で、異次元緩和が導入された13年4月以降の最高に達した。ETFの買い入れ増加やマイナス金利の拡大、マネタリーベースの増加ペースの引き上げなどが想定されている。

  28日の日本株は、為替の円高推移が嫌気され反落。日経平均は一時214円安の1万6450円まで売られた。

個人投資家の基本観は1万6000円-1万7000円のレンジ相場継続か

(見出しを差し替え、きょうの市況を文末に追記します.)
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