円急落、経済対策規模拡大で売り加速-対ドルで一時106円台半ば

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  • 「日銀との合わせ技の期待感が復活したのでないか」-しんきんAM
  • 「日銀が何をするのかしないのかを見極めることになる」-みずほ証

27日の東京外国為替市場では円が急落。政府の経済対策の規模が拡大する見通しとなり、円売りが加速した。ドル・円相場は一時前日終値から1円88銭円安の1ドル=106円54銭まで円安が進んだ。

  安倍晋三首相は27日午後、福岡市での講演で、政府が取りまとめを進めている経済対策の事業費を28兆円超とする意向を表明した、と共同通信が報じた。財政措置は13兆円で8月2日に閣議決定するという。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、「20何兆円というのはヘッドライン的にはインパクトがある」とし、「異様な期待感と日銀との合わせ技の期待感が復活したのでないか」と語った。

  この日は日本株の反発を背景に朝方から円売りが優勢だったが、昼ごろに経済対策の事業規模が27兆円になるとFNNが報じると円売りが加速。日本政府が50年債の発行を検討しているとの米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道も円売りに拍車をかけた。

  その後、財務省幹部が50年債発行の検討を否定すると円は下げ幅を縮小。共同報道による安倍首相の発言を受けて再び売りが強まった後は売り買い交錯となった。午後4時3分現在のドル・円相場は105円71銭前後で取引されている。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨全てに対して下落。前日は日経新聞の報道を受けて政府の経済対策で当面の財政支出が小規模にとどまるとの見方が広がり、日本株の下落を背景に円が全面高となっていた。27日の日本株は4営業日ぶりに反発し、日経平均株価は一時400円超上げる場面が見られた。

  日経新聞は、日銀内で追加緩和論が浮上してきており、正副総裁らが複数の案の検討作業に入ったと報じた。ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に15-22日に実施した調査では、28、29日開催の金融政策決定会合で日銀が追加緩和を行うとの予想が32人(78%)と大半を占めた。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、きのうのドル・円は政府・日銀の景気対策への過度な期待で上がっていた分の調整が強く出た形で、「逆に調整しすぎた部分もある」と指摘。緩和期待そのものが消滅したわけでもないため、もう一度緩和期待を織り込む動きもあるだろうと話した。

  一方、米国では米連邦公開市場委員会(FOMC)が日本時間28日午前3時に声明を発表する。政策金利は据え置きの見通しで、最近の経済指標の改善を受けて声明のタカ派トーンが強まるかがどうかが焦点となっている。

  みずほ証券金融市場調査部の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、FOMC声明について、若干タカ派になる可能性はあるが、「織り込み済みでかつ株価に悪影響を与える可能性があるということで、ドル高余地は限定的ではないかという感じはする」と指摘。「日銀が何をするのかしないのかを見極めることになる」と語った。

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