米アップル成長不安後退-低価格iPhone人気が売上高下支え

更新日時
  • 4-6月期売上高と利益はアナリスト予想を上回る
  • 平均販売価格の低下は収益性を脅かすリスク

アップルの低価格スマートフォン「iPhone(アイフォーン)SE」は、世界のユーザーを予想以上に引き付けており、売り上げの落ち込みを和らげ、成長不安を抱く投資家を安心させている。

  アップルは「SE」を3月に発表した際、価格が399ドル(約4万1900円)からではまだ高過ぎて新興国で魅力がなく、先進国ではより高価で収益性の高いモデルが好まれるため収益性が低下する恐れがあるといった批判を浴びていた。

売上高を下支えるアイフォーンSE

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  だが26日の決算発表で、SEが明るい材料であることが判明した。同社の予測では7-9月(第4四半期)売上高は3四半期連続で減少する見込みではあるものの、大方のアナリスト予想を上回る455億-475億ドルのレンジになる見通し。4-6月(第3四半期)売上高は市場予想より小幅な減少にとどまった。SEが消費者に受け入れられたことが一因だ。同社の株価は時間外取引で一時7.5%上昇した。

  アイフォーン販売合計に占めるSEの割合を23%と推計するRBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、アミット・ダーヤナニ氏は、「何も期待されてないときに良いことは起きる」と述べ、「数字はこれ以上悪くならず、アイフォーンの新しいサイクルに間もなく入る」と指摘。新しい主要モデルは同社の財務内容を改善させるはずだと付け加えた。

  ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)はインタビューで、「顧客の需要は四半期初め時点の予想より非常に強かった」と指摘。「4-6月期はアイフォーンSEの需要を満たすことができなかった。7-9月期にきちんと供給できるよう十分な生産能力を整えることができている」と説明した。

利益率

  低価格機種が売上高を下支えし、スマホ事業の高い利益率が犠牲になる状況はアップルにとってリスクだ。直近四半期アイフォーンの平均販売価格は595ドルと、1年前の660ドルから低下し、低価格モデルの人気上昇を浮き彫りにしている。7-9月期の粗利益率は37.5-38%となる見通しで、アナリスト予想平均の38.3%を下回る見込み。前年同期は39.9%だった。

  ただ、こうした収益性の低下傾向は、新型アイフォーン「7」が発表される7-9月期の後も続く可能性はなさそうだ。2015年に発表された「6S」と「6Sプラス」に比べて性能面の向上が少なかったSEとは異なり、アイフォーンのアップグレード時には毎回、売上高の伸びに拍車が掛かり、利益率は40%に近づく傾向がある。

  アップルは中国で低価格製品を提供する地元企業に市場シェアを奪われており、大中華圏での4-6月期売上高は3割余り減少した。中国市場が一段と飽和状態に近づいていることからアップルは次の成長の源泉としてインドに関心を移している。インドでは本年度の最初の9カ月間で売上高が51%増加した。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は5月に同国を訪問し、直営店開設の承認を求めて地元有力者との関係構築に取り組んでいる。クックCEOは26日、「今後インドで直営店を開設することを期待している。活気ある同国には極めて大きな将来性がある」との見解を示した。

  

原題:Apple’s Cheaper IPhone Is Catching On, Allaying Growth Fears (1)(抜粋)

(アナリストとCEOのコメントを追加して更新します.)
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