円全面高、麻生財務相発言で景気刺激策の期待後退-対ドル104円前半

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  • ドル・円が一時104円27銭、14日以来の円高値付ける
  • 日銀や経済対策への期待で上がってきた反動出ている-BofA

26日の東京外国為替市場では円が全面高。麻生太郎財務相の発言を受けて、景気刺激に向けた政府と日本銀行の政策の相乗的な効果に対する期待感が後退し、円が一段高となった。

  午後3時9分現在のドル・円相場は1ドル=104円40銭。一時は104円27銭と、14日以来の水準まで円高が進んだ。英国の利下げ観測や原油相場の下落を背景に、朝方からポンドや資源国通貨売り主導でクロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)の円買いが先行。円は主要16通貨全てに対して前日終値から上昇した。

  バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「最近のドル・円は政府と日銀の両輪による景気刺激を前提にしていたとした」上で、「麻生財務相の発言でそういった両輪のうちの日銀への期待感が少し後退させられたかもしれない」と指摘。日銀会合や経済対策といった「イベントへの期待で盛り上がってきた反動が出ている」と話した。

  日銀による28、29日の金融政策決定会合を前に、麻生財務相は26日の閣議後会見で、金融政策の具体的な手法は日銀にゆだねるべきだとし、物価安定目標実現に向け最大限の努力を続けることを期待すると発言。ゼロ金利環境を最大限に利用して経済政策を講じると言い、経済対策の規模は調整中と述べた。

  26日付の日本経済新聞は、政府が来月2日にもまとめる経済対策の骨格を固め、国と地方の財政支出(真水)は今年度2次補正予算や来年度予算案などの数年間の予算総額を6兆円程度に積み増す方向と報じた。財務省は当初、真水を3兆円程度にとどめる案を示していたという。

Taro Aso

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、経済対策について、「6兆円という規模ではあるものの、複数年にまたがることなどから、織り込み済みという範囲になる」と指摘。日銀会合も「ヘリマネトークが出た時点で緩和サプライズは効きづらい」と言い、材料出尽くしとなる可能性が高く、緩和で110円を目指すのは難しいとみる。 

英利下げ観測、原油安

  英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、イングランド銀行金融政策委員会のウィール委員が、従来の考えを変更し、直ちに金融刺激策を講じることを支持する意向を示唆したと報じた。この日のポンド相場は朝方から下落基調を強め、一時1ポンド=1.3083ドルと、2営業日ぶりの安値を付けた。対円では一時1ポンド=136円70銭前後と、14日以来の水準まで下げ幅を拡大した。

  25日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は前営業日比1.06ドル(2.40%)安い1バレル=43.13ドルで終了。終値ベースで4月25日以来の安値を付けた。

  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「英中銀は8月の緩和に加えて、経済状況によっては年内にあともう1回利下げする可能性もあり得るとみられていたところに、ウィール委員の発言が材料視されてポンド売りにつながった」と説明。加えて、原油相場が下落基調を強める中、資源国通貨にも売り圧力が掛かりやすいと言い、クロス・円で円買い圧力が強まりやすい構図になっていると話した。

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