日銀と連携、金融・財政政策と構造改革を総動員-経済対策案

更新日時
  • 2%の物価目標の達成を日銀に期待
  • 産業構造・働き方改革、人材育成に一体的に取り組む

政府は26日朝、自民党政務調査会の全体会議に経済対策案を提示した。ブルームバーグが入手した同案によると、伊勢志摩サミットの首脳宣言を踏まえ、「日本銀行とも連携しつつ、金融政策、財政政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速する」としている。

  政策の柱としては、産業構造改革、働き方や労働市場の改革、人材育成の一体改革に取り組むことを掲げ、社会保障改革や未来への投資もうたっている。当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現を目指している。

政策総動員で日本経済上向くか

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日銀に対しては、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標実現への期待を表明している。対策の規模や効果は盛り込まれていない。

  公共事業は熊本地震や東日本大震災の復旧・復興や防災強化のほか、大型クルーズ船受け入れのための港湾整備など観光インフラ整備が柱。また、財政投融資の活用によるリニア中央新幹線の全線開業の8年間前倒しや整備新幹線の建設加速化も明記した。

働き方改革

  国際協力銀行、国際協力機構などの積極的な活用や財務基盤の強化通じた企業の海外インフラ展開支援や、日本政策金融公庫や商工中金による中小企業へのセーフティネット貸付制度の金利引き下げなどにも取り組む。

  働き方改革では、同一労働同一賃金の実現、時間外労働規制の在り方の再検討、外国人材受け入れの在り方の検討などを盛り込んだ。子育て・介護の環境整備については2016年度補正と17年度予算で確実に実現、雇用保険料は17年度からの引き下げるとしている。無年金者対策として、年金受給資格期間の25年から10年への短縮を17年度中に実施する。

  日本経済新聞は26日、政府が固めた経済対策の骨格では、国と地方の財政支出(真水)は16年度2次補正予算や来年度予算案など数年間の予算総額を6兆円程度とすることで調整すると報じている。

  モルガン・スタンレーMUFG証券のチーフエコノミスト、ロバート・フェルドマン氏は「見出しはそれほど重要ではない、ごまかしもあるからだ」と指摘、「投資家には、いわゆる実質需要項目に注目するよう勧めたい」と述べ、どんなものにいつ支出が行われるのかが重要だとみる。対策が国会で承認されるのは10月ごろになるので、実際に資金が流れるのは16年終盤から17年にかけてになると指摘した。

(第4段落以降に対策内容やエコノミストコメントを追加します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE