リストラさらに踏み込むか-そこが知りたいバークレイズなど決算

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  • 英中銀の利下げが見込まれる状況、英銀の収入はさらなる逆風に直面
  • ファンドの償還請求急増で商業用不動産へのエクスポージャーも注目

英大手銀行の今年4-6月(第2四半期)決算の発表が今週から始まり、28日にロイズ・バンキング・グループ、週末29日にバークレイズの業績が明らかになる。英国の欧州連合(EU)離脱が決まった影響で、これらの銀行がさらに踏み込んだコスト圧縮に動くかどうか投資家は注目することになろう。

  ロイズは超低金利の逆風に対抗するため、これまでに9000人の整理を発表したが、追加の人員削減の検討に入ったと事情に詳しい複数の関係者が今年に入り明らかにした。英銀上位5行はいずれも経費節減プログラムを進める過程にあり、トータルで約150億ドル(約1兆6000億円)の圧縮を目指している。こうした状況では、債券トレーディングや原油価格から明るいニュースが出ても、利益の数字そのものはサイドショー(前座の出し物)にすぎないだろう。

英銀行決算発表が本格化へ

for: plans to increase the dividend. Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  欧州の銀行の大部分が資本要件を満たし、収益力を高めるために資産の圧縮と人員削減に動く中にあって、英国民投票でEU離脱が選択されるまでは、英銀はEU内で最も堅調な国内市場の一つを当てにできる立場にあった。EU離脱が決まったことで、イングランド銀行(英中央銀行)は、景気下支えで利下げに動くと予想され、融資需要が不安定な環境では、ロイズやバークレイズ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)といった金融機関の貸出金利マージンが圧迫されることになる。

  ジェフリーズ・グループのアナリスト、ジョゼフ・ディッカーソン氏は、英国民投票後に2017年の英銀大手の予想利益をバークレイズ 68%、RBS50%、ロイズは24%それぞれ下方修正した。

  インベステックのアナリスト、イアン・ゴードン氏(ロンドン在勤)は「目標とする時期に正常なリターンを実現するには、どの銀行の現在の経費節減プランも十分とは思えない。支店の閉鎖は続くのか。加速する可能性はあるか。資本市場部門や投資銀行のコスト削減はあるか。一層の合理化はあるのか。どの質問も答えはイエスだ」と話す。

  英国のEU離脱に伴う英銀への影響は、金利マージンへの打撃にとどまらない。ロンドンの不動産へのエクスポージャー(リスク投資)や、他のEU加盟国の顧客への金融サービスを可能にする「パスポート」の権利の行方がどうなるかも問題だ。

  英国では商業用不動産に投資する7つのファンドが、償還請求の急増に伴う不動産の投げ売り回避のため、今月に入り取引停止に追い込まれた。JPモルガン・チェースが5日のリポートで推計したところでは、RBSとロイズは不動産・建設セクター向け貸し出し比率が最も高く、RBSでは有形純資産価値の66%、ロイズでは46%が不動産・建設セクター関連となっている。

  28日のロイズ、29日のバークレイズに続き、8月5日にはRBSが4-6月決算の発表を予定している。

原題:U.K. Banks Seen Needing Deeper Cuts as Brexit Dominates Earnings(抜粋)

(最終段落に決算日程を追加し更新します.)
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