NY外為:外国為替取引高が世界的に増加、金融政策めぐる思惑で

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外国為替市場では4月までの6カ月間に東京やロンドン、ニューヨークなど世界の主な市場で取引高が増加したことが、中央銀行の調査から明らかになった。金融政策をめぐる思惑が影響したようだ。

  イングランド銀行の外国為替共同常任委員会によると、英国では1日当たりの取引高が平均で2兆2100億ドルと、昨年10月から5%増加。対円でのドルの取引が27%増と、けん引役となった。全体の取引高は2015年4月との比較では9%減少した。米連邦準備制度理事会(FRB)によれば、北米の1日当たりの平均取引高は10月の8090億ドルから8930億ドルに増えた。スポットや先渡し、オプション、スワップを含む総取引高は日本で5.1%、オーストラリアで6%それぞれ増加した。

  日本銀行や米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定が市場の意表を突いたことが取引高の増加につながったと、アナリストの間ではみられている。

  トロント・ドミニオン・バンクの通貨戦略の欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏は「金融政策が全てだ。日銀が4月の政策決定会合で新たな緩和政策を打ち出すとの見通しがかなり強かった。その期待が裏切られた時、対円でのドルの買い持ち高にかなりの圧力がかかった」と語った。

  バークレイズの外為・金利ストラテジスト、アンドレス・ジェイム氏は円の取引高も増加したことについて、円が他の通貨に比べて割安だったためだと分析した。

  円は1月の122円近辺から上昇し、4月には107円を超える円高となった。ただ、購買力平価に基づくと対ドルでなお過小評価されていた。欧州連合(EU)からの離脱を問う英国民投票を受けて逃避需要が強まり、円は6月に100円を突破する局面があった。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前週末比0.3%高の1ドル=105円81銭。ユーロは対ドルで0.2%高い1ユーロ=1.0995ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。

  シンガポールの外国為替市場委員会の発表によると、同国では1日平均の取引高は4月に4190億ドルと、6カ月前から36%増加した。

  対円でのドルと先渡しの取引増加は価格の変動幅拡大と一致している。JPモルガン・チェースのデータによると、主要7カ国通貨のボラティリティは4月までの6カ月間で平均10.35%上昇した。その前の6カ月間は9.85%だった。

  日本の輸出業者はボラティリティが高まる中で先渡しの利用が拡大。日本生命や第一生命保険など保険者は通貨ヘッジを利用して海外債券を購入している。

  ロンドンでの取引高はそれ以前の6カ月と比較すると増加したが、前年比では9%減少した。バークレイズのジェイム氏は銀行がリスクテークを縮小したことが一因だとの見方を示した。

  さらに「取引高の長期的な減少傾向は規制強化や資本規制強化が影響している」と指摘した。

 

原題:Currency Trading Rises From Tokyo to New York on Policy Jolts(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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