ヤフー、ネット企業の歴史に幕-ベライゾンに5100億円で事業売却

更新日時
  • アリババと日本のヤフーの持ち分は保持する
  • メイヤーCEOの再建の取り組みは株主の圧力で頓挫

ヤフーは中核資産に位置付けるウェブ事業を、米最大の携帯電話サービス会社、ベライゾン・コミュニケーションズに約48億3000万ドル(約5100億円)で売却することに合意した。ヤフーはインターネット黎明(れいめい)期の草分け的存在だった、次々と新しいサービスを繰り出すグーグルやフェイスブックといったライバルに後れを取り、インターネット企業として約20年の歴史に終止符を打つことになる。

  ベライゾンは買収代金を現金で支払う。合意の対象にはヤフーが保有する不動産も含まれるが、一部の知的財産は除外され、今回の合意とは別に売却される。ヤフーはアリババ・グループ・ホールディングと日本のヤフー(ヤフー・ジャパン)の持ち分(市場価値は合計約400億ドル相当)は保持する。

Marissa Mayer leaves the company’s annual shareholders meeting in Santa Clara, California on June 30.

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  メールやニュース、スポーツ・コンテンツ、金融ツールを含むヤフーのウェブサービスは月10億人が利用。グーグルとフェイスブックのリードが続く見通しとはいえ、デジタル広告市場でもシェアを伸ばしている。ベライゾンはこのウェブ事業に加え、モバイルアプリケーションや動画・携帯端末向け広告技術など成長分野の資産も取得する。

AOL

  ヤフーはベライゾン傘下のAOL部門に統合される。AOLのティム・アームストロング最高経営責任者(CEO)は25日の発表文で、「ヤフーが成し遂げた功績に非常に大きな敬意を抱いている。今回の買収はわれわれとの相乗効果の下で、ヤフーの可能性をフルに解き放ち、成長を強化・加速させるためのものだ」とコメントした。

  スタンフォード大学の学生だったジェリー・ヤン氏とデービッド・ファイロ氏が設立したヤフーはかつて、インターネットのポータルサイトとしてなくてはならない存在だったが、グーグルの台頭とともに衰退を始め、経営判断の誤り、ユーザーの利用パターンの変化に追いつけず、悪化が加速した。マリッサ・メイヤーCEOが経営立て直しを図ったが、株主からの圧力が高まる中で、アジア資産のスピンオフ(分離・独立)計画も断念せざるを得なくなり、今年に入り中核事業の売却以外に選択肢がない状況に追い込まれた。

  ベライゾンへの事業売却完了後、ヤフーは社名を変更し、現金と複数の特許、アリババとヤフー・ジャパンの株式を保有する投資会社のような存在となる。現金は株主に返還し、他の資産については追って投資家に伝えるとしている。

メイヤー氏

  メイヤーCEO(41)はヤフーのウェブサイトで、同社にとどまる意向を表明。「ヤフーの次の章への移行を見守ることが私にとって重要だ」と語った。ヤフーが4月29日の監督当局への届け出で示した推計によれば、同CEOは理由なく解雇され、同時に経営権の変更があった場合には5490万ドルを受け取る資格がある。

AOLのアームストロングCEO

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg *** Local Caption *** Tim Armstrong

  ヤフーのウェブ事業は、ベライゾンのプロダクトイノベーションおよびニュービジネス・オーガニゼーション担当エグゼクティブバイスプレジデント、マーニ・ウォールデン氏の下で、同社傘下のAOLと事業統合が進められることになる。

  ウォールデン氏は、AOLのアームストロングCEOと共にメイヤー氏と今週協議する予定であることを明らかにした。ウォールデン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「マリッサ(メイヤー氏)の役割は、統合の成功のために極めて重要になる」と述べた。

原題:Verizon Ends Yahoo Independence With $4.83 Billion Deal (1)(抜粋)

(メイヤーCEOの今後の動向などを追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE