ニッケル供給不足幅が縮小へ、インドネシア立ち上げ進む-住友鉱予測

  • 今年の需給は4万7000トンの供給不足に、8万トンの不足から修正
  • インドネシアでのニッケル銑鉄の生産プロジェクト計画通り進展

ニッケル製錬で国内最大手の住友金属鉱山はこのほど、2016年の世界のニッケル需給が4万7000トンの供給不足になるとの予測をまとめた。5月時点の8万トンの供給不足から不足幅が縮小する見通し。インドネシアでの安価で低品位のニッケル銑鉄と呼ばれる品種の生産プロジェクトの立ち上げが同社の想定以上に進んでいることが影響する。

  ニッケル営業・原料部の大山正紀部長が25日、ブルームバーグとのインタビューで述べた。新たな予測は、16年のニッケル需要量が前年比1.1%増の191万4000トン、供給量は同5.4%減の186万7000トン。需要量は前回予測と同じ水準となった一方、供給量は3万3000トン上振れすると見直した。

  インドネシアのニッケル銑鉄の生産量については8万8000トンと予想。前回予測の4万5000トンのほぼ2倍となった。昨年の生産実績は2万5000トンだったとみている。中国企業によるニッケル銑鉄の生産プロジェクトが「予定通りに立ち上がりつつある」という。インドネシアは14年1月からニッケル鉱石の輸出を禁止。同国内で鉱石に付加価値を付けた上で輸出を認める政策を導入したことから、複数の新工場建設プロジェクトが進んでいる。

  一方、世界のニッケル鉱石の生産量の約4分の1を占めるフィリピンでは、6月30日に就任したドゥテルテ大統領が、環境規制を満たしていない鉱山会社に対して業務を改善できなければ閉鎖する方針を打ち出した。ロペス環境天然資源相は同国で操業する鉱山会社のうち国際基準を満たしているのは3分の1足らずだと指摘するなど、同国からの供給懸念が高まっている。

3分の2閉鎖なら影響大

  大山部長は「今後の動向は様子を見ていくしかない」と指摘。その上で、仮に3分の2程度の鉱山が閉鎖された場合には「影響は大きく、中国でのニッケル銑鉄の生産はかなり減速するだろう」と述べた。フィリピンは中国にとって最大のニッケル鉱石の調達先となっている。

  住友鉱では16年の中国のニッケル銑鉄の生産量を前回予測と同じ30万トンと据え置いた。これまでの生産は年間35万-40万トンのペースで進んでいるとみており、環境規制の問題でフィリピンからの鉱石出荷が「年後半には絞られるだろう」と判断し、予想を据え置いたと説明した。

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