任天堂への期待と現実、ポケモンGO人気も4-6月期は赤字予想

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  • ポケモンGOの収益貢献は限定的、今期の業績予想は修正せず
  • 秋にスマホゲーム2本配信予定、来春には次世代機NXを発売へ

スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の爆発的普及とともに株価が上昇した任天堂だが、同ゲームの収益貢献は限定的なものとなるとしている。27日に発表する4-6月期決算は市場の期待と現実との差を認識する機会となりそうだ。

  ブルームバーグが集計したアナリスト5人による4-6月期の予想平均は、連結純損益が89億円の赤字、営業損益が25億円の赤字となっている。任天堂は今期(2017年3月期)、純利益350億円、営業利益450億円を目指している。27日の決算発表で会見はない予定。

ポケモンGOで遊ぶ人たち(東京・代々木公園)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  任天堂株はポケモンGOの人気を受けて上昇し、米国での6日の配信開始前には2兆円程度で推移していた時価総額は一時、約4兆円に達した。一方、任天堂は22日夜の発表で、ポケモンGOを開発した関連会社が議決権32%を保有する持ち分法適用会社であり、連結業績への影響は限定的で、現時点で業績予想を修正しないとした。発表を受け、25日の任天堂株は値幅制限いっぱいのストップ安まで売られ、26日も一時前日比6.6%安まで下げた。

  SMBC日興証券アナリストの前田栄二氏はポケモンGOの収益与影響について、7-9月期の結果が出てから「数字に落とし込んだ議論ができる」と述べた。また「今回の成功は別物」とも述べ、任天堂は自社が開発・運営するゲームをヒットさせる必要があると話した。

  ポケモンGOは米グーグルから分社したナイアンティックが開発・配信しており、任天堂の持ち分法適用会社のポケモンは、ライセンス料と開発運営協力による収益を得る。任天堂が開発したポケモンGOと連携して遊ぶ機器の収益は、業績予想に含まれている。

スマホアプリ収益を反映した初の決算

  任天堂は従来、ゲーム配信を自社のゲーム機に限っていたが、スマホ普及に伴い方針を転換した。今年3月に同社初のスマホ向けアプリ「Miitomo(ミートモ)」の配信を開始し、4-6月期はスマホアプリの収益が反映された初の決算となる。秋には「ファイアーエムブレム」と「どうぶつの森」の2本のゲームアプリ配信を開始する。

  17年3月には、次世代ゲーム機NXの発売を控える。不振の据置型ゲーム機Wii(ウィー)Uは今期、ハード、ソフトとも販売数が大幅な減少を見込む。一方、3DSはハードは減少するもののソフトは13%増となる5500万本の販売を目指す。

  SMBC日興の前田氏は、収益の多くを上げる年末商戦の重要性を指摘した上で「3DSは収益の柱でいてくれなくてはならない」と指摘した。また今後、明らかになるNXの詳細が驚きをもって迎えられるかどうかが、注目点になるという見方を示した。

  BGCパートナーズ(シンガポール)の日本株セールス担当マネジャー、アミール・アンバーザデ氏は、任天堂株は5万円に容易に達するとして、「空売りするのは非常に危険だ」と指摘した。一方、「企業価値という観点からみると、すでに正当化できる水準は超えた」とも述べた。

(第3段落に26日の株価を追加しました.)
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