ドイツ銀を注視する投資家の厳しい目、空売り筋虎視眈々か-27日決算

  • ドイツ銀行は27日に4-6月期決算を発表する予定
  • ドイツ銀の株価は過去1年で約50%下落

ドイツ銀行のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は今週、欧州最大の投資銀行の立て直しは可能と投資家を納得させることに取り組むことになるが、その難しさは増している。

  27日の4-6月(第2四半期)決算発表は、クライアンCEOが収益力向上と資本水準引き上げに向け人員削減とリスク資産圧縮の計画を公表してから9カ月後に当たる。同CEOはこの間に、消費者向け銀行のドイツ・ポストバンク売却の計画は棚上げ、「デジタル銀行」開発も中止に追い込まれ、複数の幹部流出にも見舞われた。

クライアンCEO

Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg *** Local Caption *** John Cryan

  株価は過去1年に約50%下落。マーシャル・ウェイスなどのヘッジファンドが同行株を空売りしている。アナリストは複雑な資産を保有する同行の資本基盤に懸念を抱く。クライアンCEOが直面する難題を下の4つのチャートが示している。

  ドイツ銀は中国の華夏銀行の持ち株20%の売却を4-6月中に完了できず、資本強化の取り組みに遅れが出ている。同行の普通株ティア1自己資本比率は3月時点で10.7%と、欧州の大手銀行25行中3番目に低かった。ブルームバーグがまとめたアナリスト7人の予想では、4-6月は10.8%に上昇の見込み。現時点での規制の最低要件は満たしているが、2019年に達成を義務付けられる水準には届いていない。

  ドイツ銀は債券・通貨トレーディング業務の一部から撤退している。アナリストによると、同事業の4-6月の収入は前年同期比で13%減の19億5000万ユーロ(約2280億円)と予想される。ブルームバーグがまとめたデータによれば、大手米投資銀行5行の4-6月の同事業収入は22%増だった。

  英国が先月、欧州連合(EU)離脱を選んだことは広く市場を揺るがせた。投資銀行は為替トレーディング増加の恩恵を受けた可能性もあるものの、離脱決定に伴う経済の不透明感は今後数四半期にわたり証券引き受けや合併・買収(M&A)助言業務の減少につながりかねないとアナリストらはみている。ドイツ銀は昨年の収入の19%を英国から得ていた。同行は、英国の離脱選択によって、欧州事業のシェアを伸ばす上ではロンドンを欧州の拠点とする米銀勢より有利だとの認識を示している。

  ドイツ銀株の空売りは今月、1年余りで最大になった後、減少している。ソロス・ファンド・マネジメントは先月、ドイツ銀株約700万株の空売りポジションを組んだ。ブルームバーグが確認したメモによると、金融株を空売りしている新興ヘッジファンドのシーライト・キャピタルは投資家に対し今月、ドイツ銀行が今年、救済に追い込まれるかもしれないと指摘した。 シーライトのデービッド・トンプソンCEOとドイツ銀の広報担当者はコメントを控えた。ドイツ銀株の投資判断を「セル」としているアナリストの割合は他の欧州大手銀より高い。

原題:Deutsche Bank Set for Investor Scrutiny as Short Sellers Circle(抜粋)

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