イタリアだけでなくドイツの銀行も不愉快な脚光-健全性審査29日公表

  • イタリアの銀行システムの不良債権問題に投資家は注目
  • 今回は従来と異なり、最低合格ラインは設けられていない

欧州では不良債権が膨らむイタリアの銀行の苦境が、公的資金による支援の議論を促した。しかし、29日に公表される主要銀行の最新ストレステスト(健全性審査)で注目されるのは、イタリアの銀行ばかりではなさそうだ。

  欧州連合(EU)の銀行監督機関である欧州銀行監督機構(EBA)が結果を発表するストレステストでは、大量の不良債権を抱えるイタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナが最も注目を集める公算が大きい。だが、ドイツとオーストリア、北欧の銀行も不愉快なスポットライトを浴びる恐れがある。

  ソシエテ・ジェネラルのクレジットアナリスト、ポール・フェネレイタオン氏は「想定外があるとすれば、悪いサプライズである可能性が高い。人々が軽く受け流すだけだとしても、金融危機から何年もたった今も全てがうまくいっているわけではないという欧州の現実を投資家に思い起こさせるだろう」と指摘した。

  イタリア政府は約3600億ユーロ(約42兆円)相当の不良債権を抱える銀行の資本増強に公的資金を投じる選択肢について、EU首脳らと協議しており、預金者や小口投資家が多い銀行債の保有者に大きな損失負担を強いることなく、銀行を救済できる合意を目指している。

  フェネレイタオン氏は顧客向けのリポートで、北欧の銀行もスウェーデン経済や住宅価格の「厳しいシナリオ条件」の下で打撃を受けることが予想され、ドイツについては最大の銀行であるドイツ銀行の脆弱(ぜいじゃく)さが、他の金融機関の問題に目を向けさせることになったと分析。オーストリアの銀行も同国と中東欧の経済をめぐる「著しく弱気な」シナリオの下で、苦しい状況に置かれる可能性があるとの見方を示した。

合格も不合格もない

  今年のストレステストは欧州の主要銀行51行を対象に2つのシナリオを想定して実施。基本シナリオの条件が欧州委員会が昨年示した経済見通しに準拠しているのに対し、ストレスシナリオは特に金利や為替レート、株価、不動産、商品価格へのショックを考慮し、EBAと欧州システミックリスク理事会(ESRB)が策定したものだ。

  今回は従来と異なり、最低合格ラインは設けられておらず、ストレスシナリオの下で自己資本が最低基準を下回った銀行は、欧州中央銀行(ECB)から資本計画を含む「ガイダンス」を受けることが想定されている。

原題:From Paschi to German Lenders, Investors Brace for Stress Tests(抜粋)

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