KKRの生徒だった中国ファンド、今やライバルに-買収記録を更新

  • 中国PE会社による海外での買収額が過去最高に
  • 当局はKKRのクラビス氏に中国勢へのノウハウ伝授を要請していた

ジュゼッペ・ベランディ氏は、イタリア・アルプス山麓で工業オートメーション部品を製造する創業30年の自分の会社が、中国のプライベートエクイティ(PE、未公開株)ファンドに買収されることになるとは夢にも思っていなかった。

  しかしこの企業、ジマテックの最高経営責任者(CEO)であるベランディ氏は、同社の将来にとって中国が極めて重要な存在で、アジア一の経済大国での事業拡大を後押しする専門知識が中国PEファンドの幹部にあると認識するに至り、提携の機会に飛び付いた。ジマテックは先月、欧州や米国からの買収案を退け、中国のバンカー、蔡洪平(ヘンリー・ツァイ)氏が中国政府系ファンドの支援で設立したPE投資会社AGICキャピタルに株式の過半数を売却することを選んだ。

  ベランディ氏は「中国PE会社がいかに強力であるかに気付いたときは本当に驚いた」と電子メールでコメントした。

  中国PE業界は前例のないペースで海外での買収を進めており、AGICやレジェンド・キャピタル、ゴールデン・ブリック・キャピタルといった投資会社の欧米投資会社との競争がかつてないほど激しくなっている。

  アジア・ベンチャーキャピタル・ジャーナル(AVCJ)によると、中国の富が増え、投資家が洗練され、海外資産へのエクスポージャーに対する需要が高まったことで、中国のファンドは今年これまでのところ、金額にして少なくとも164億ドル(約1兆7400億円)規模のクロスボーダーの買収案件に参画。2012年に記録した通年ベースの過去最高額である110億ドルを既に上回った。

  中国PE各社による海外取引拡大は、新たな時代の到来を示す。同業界はわずか数年前まで、上場予定の中国企業を買収し、短期間で売却するといった投資手法で知られていた。中国当局はこうした手法があまりに広まったことを受けて、業界の先駆者である米PE投資会社KKRを率いるヘンリー・クラビス氏に価値を向上させるノウハウを国内勢に伝授するよう要請した。

  中国PE会社は今年に入ってから、プリンターメーカーの米レックスマーク・インターナショナル(36億ドル規模)やオランダの半導体メーカー、NXPセミコンダクターズのスタンダードプロダクト部門(27億5000万ドル規模)、ノルウェーのオペラ・ソフトウエアのウェブブラウザー事業などの買収に関わった。

  AVCJによれば、中国PE会社による今年これまでの海外案件の総額は、海外のPE会社によるアジアでの案件の合計額を初めて上回っている。

原題:China Funds That Kravis Urged to Grow Up Are Now KKR Rivals (1)(抜粋)

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