【日本株週間展望】小動き、日銀判断待つ-前半は追加緩和期待が支え

7月4週(25-29日)の日本株は小動きとなりそうだ。週末にかけ日本銀行の金融政策決定会合があり、当局の判断を見極めようと持ち高を一方向に傾けにくい。週前半は米国の景気や株式相場の堅調、政府・日銀の政策発動期待の根強さが下支え要因になる。

  28ー29日に開かれる日銀会合を前に、国債の直接引き受けで財政支出を拡大するなどヘリコプターマネー政策が投資家の話題を集めていたが、英BBCラジオは21日、日銀の黒田東彦総裁が6月収録のインタビューで「必要性も可能性もない」と語ったと報道。ヘリマネ論議はやや収束方向にある一方、何らかの金融緩和策を打ち出す可能性に対しては期待感が続く。市場では、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ増額など株式需給にプラスの政策には好意的で、銀行株にダメージを与えるマイナス金利政策の拡大には否定的な声が多い。

  英国の欧州連合(EU)離脱ショックによる金融市場の混乱は一服、日銀が政策を温存する可能性もあるが、期待先行で日経平均株価は6月1日以来の1万7000円接近と上昇基調を強めてきただけに、ゼロ回答なら失望売りが膨らみそうだ。このほか、主要国内企業の4-6月期決算の発表が本格化し、27日にファナックや日産自動車、任天堂、28日は村田製作所、29日はソニーや日立製作所、みずほフィナンシャルグループなどが開示予定。ことし前半の為替の円高進行を受け、輸出セクターを中心に通期計画の下方修正の有無が焦点だ。

  米国では26ー27日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。金利先物市場が示す年内の米利上げ確率は45%、7月会合に限ればわずか8%で、無風の可能性が高い。第3週の日経平均株価は週間で0.8%高の1万6627円25銭と続伸。米国株の最高値更新やドル・円が一時1カ月超ぶりに1ドル=107円を回復したことを好感、政府・日銀の政策期待を背景とした買いが入った半面、前の週に9%以上急伸した反動もあり、相場の過熱警戒感が上値を抑えた。

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≪市場関係者の見方≫
●シティグループ証券の飯塚尚己チーフストラテジスト
  「市場では日銀が動かざるを得ないと期待する投資家が多い。 一方、為替が既に1ドル=105円の水準では日銀が動きにくいのではないかとの不安もある。会合までは積極的に動きにくく、高水準でもみ合う。個人的には、日銀は追加緩和すると考える。ヘリコプターマネーの可能性はないが、政府の財政拡大に合わせ、日銀が量的緩和を拡大する可能性はある。政府の経済対策は、早ければ26日の閣議などで最終形が見えてこよう。基本的に削るより上乗せの方向、市場はポジティブに受け取る」

●SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「日経平均は日銀会合まで横ばいで推移する。会合ではETFの買い入れ額拡大やマイナス金利の深掘りなどを想定している。報道された事業規模20兆ー30兆円の経済対策と歩調を合わせる形での金融緩和が上昇を後押しするだろう。米経済は強いが、英国のEU離脱の影響などを考慮すると、今回のFOMCでは利上げが見送られる公算が大。米国株は高値もみ合いを続けそうだ。外需株は為替要因による業績懸念は薄れたが、海外経済の不透明感から慎重にならざるを得ない。内需系が優位」

●大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  「米国をはじめ世界的な経済指標の改善が支え、日本株は調整を交えながらも上昇トレンドを続ける。為替の落ち着きで企業業績の下方修正懸念は薄らいだ。日銀は金融政策決定会合で何もやらないだろう。何らかの緩和策を打ち出す場合、ETF買い入れ増額なら需給に好影響で相場は上昇する。マイナス金利の拡大などを打ち出した場合、銀行株などへの悪影響が意識され、日本株全体にネガティブとなる」
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