ドル・円105円後半、ヘリマネ観測後退で上値重い-来週のイベント警戒

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  • 106円26銭まで円売りが先行した後、一時105円57銭を付ける場面も
  • 水準感としてはここ数日の上げ戻したというところ-バークレイズ証

22日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=105円台後半で推移。日本銀行の黒田東彦総裁のヘリコプターマネー否定発言を受けて円が買われた前日の海外市場の流れを引き継ぎ、日本株の下落を背景に上値の重い展開となった。

  午後3時50分現在のドル・円相場は105円95銭前後。早朝には106円26銭まで円売りが先行したが、その後じりじりと値を切り下げ、一時105円57銭を付けた。

  バークレイズ証券の門田真一郎為替ストラテジストは、「昨日の黒田発言から調整しており、水準感としてはここ数日の上げを戻したというところ」と説明。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合も控えているので、ドル・円は動きづらい時間帯に入ってきているが、「昨日のようにヘッドラインが出てくれば、振らされやすい」と語った。

  黒田総裁は21日の英BBCラジオ4の番組で、現在の制度的枠組みを考えると、現段階で「ヘリコプターマネーは必要性も可能性もない」と語った。インタビューは6月17日に収録された。

  この報道を受けて、前日の海外市場では一時105円42銭まで円が急伸。黒田発言が伝わる前の東京市場では、大型経済対策への期待などから一時107円49銭と6月7日以来のドル高・円安水準を付けていた。  

  三井住友信託銀行NYマーケットビジネスユニットの海崎康宏マーケットメイクチーム長(ニューヨーク在勤)は、「ドル・円は黒田総裁のコメントを受けて、いったん上を抑えられてしまったので、その後は戻り売りのような感じになっている」と説明。来週の日銀会合で特に何も策が出てこないと、いったん期待が剝がれて、ドル・円は売られる可能性があると話した。

  22日の東京株式相場は反落し、日経平均株価は200円以上下げる場面が見られた。前日は大型経済対策への期待を背景に上昇し、一時6月1日以来の1万6900円台に乗せていた。

日米金融政策会合

  来週は26、27日にFOMC、28、29日に日銀会合が開かれる。バークレイズの門田氏は、FOMCの方は特に政策変更は見込まれておらず、議長会見もないため、声明文を見ることになると説明。一方、日銀については「20ベーシスポイントの利下げとETF(指数連動型上場投資託)、J-REIT(不動産投資信託)の買い取り額の増加」を予想しているが、「マーケットでどこまでヘリコプターマネーのような話が本気で織り込まれているのか分からず、ヘリマネの定義もいろいろあるので、どういう水準に具体的な予想があるのか判断しにくい」と話した。

  一方、週末には中国の成都で20カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。ルー米財務長官は21日、世界の経済情勢は金融危機時のような国際協調が正当化されるほど悪くないが、政策当局者らは低成長に対応して、てこ入れする必要があるとの見解を示した。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、「本邦の財政出動や日銀のヘリマネ観測を筆頭に、市場にはリスク選好的なムードが充満しつつあったが、G20財務相・中央銀行総裁会議で前向きな材料が出てこなければ、足元のリスクオンに巻き戻しが入る可能性はありそう」と予想。「会議に参加する本邦当局者が金融政策やヘリマネ議論に対して否定的な発言を行う可能性もあり、注意したい」としている。  

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