コマツ株が昨年8月来の高値、米ジョイ買収は「中期的にポジティブ」

  • 中期的に期待が高い買収で第一印象はポジティブ-JPモルガン
  • 鉱山機械市場の回復動向次第ではポジティブ-クレディ・スイス

コマツの株価が一時、2015年8月以来の高値を付けた。21日に発表した米鉱山機械メーカーの大型買収について、鉱山機械需要が足元では冷え込む中での大型買収だが、市場関係者の間では中期的にはポジティブと評価する見方が多い。

  コマツ株は前日比で一時1.9%高の2120円まで上昇。21日にはジョイ・グローバルを28億9100万ドル(約3100億円)で完全買収すると発表していた。

  JPモルガン証券の佐野友彦アナリストは21日付のリポートで、1)コマツの業績ドライバーである鉱山機械事業における成長機会の拡大、2)両社事業の高い補完性とシナジー効果、3)高まった財務力での妥当な買収条件と時期ーーを評価するとして「中長期的に期待が高い買収と見て、第一印象はポジティブ」との見解を示した。

  クレディ・スイス証券の黒田真路アナリストも同日付のリポートで「目先の印象はニュートラル」とした上で「ジョイのリストラ進ちょくおよび鉱山機械市場の回復動向次第では、売上規模および利益面に対しても、ポジティブな影響が期待できそう」と評価した。

  コマツは米子会社を通じてニューヨーク証券取引所に上場しているジョイの株式を1株当たり28.3ドルで100%取得する。関連当局の承認などを経た上で、17年半ばの買収完了を目指す。コマツにとっては過去最大の買収案件となる。買収は手元資金と借入金を充てる。

  21日の会見で藤塚主夫・最高財務責任者(CFO)は前期(16年3月期)末に0.23だった純有利子負債倍率(DER)が買収後に一時的に0.4程度にまで悪化する見通しだが、キャッシュフローの水準から判断して3-4年後には0.3程度までに回復すると説明。「財務体質の強さはある程度維持できる」との認識を示した。

  ジョイは鉱山機械の専業メーカー。コマツが保有していない超大型の露天堀り向けと坑内堀り向けの鉱山機械の製品群を抱える。石炭や鉄鉱石、銅などの主要鉱物の消費量は今後年率3%で伸びていくと判断。鉱山機械は生産効率を上げるため大型化が進んでいるのが特徴で、買収によって取り扱い商品を拡大することで需要を取り込む狙い。

  会見で大橋徹二社長は「現在の鉱山機械の事業環境は非常に厳しいが、中長期的には明るい将来がある」と述べた。買収後の鉱山機械向けの売上高は7800億円となり、世界首位の米キャタピラーに匹敵する規模となる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE