日証協:アナリストの取材・情報伝達の指針公表、法令違反を未然防止

日本証券業協会は、アナリストによる取材や情報伝達に関する考え方を示した。ディスクロージャーをめぐる証券会社側のスタンスが明確になり、今後は企業や投資家側の議論が活発していくことになる。

  日証協は21日、「協会員のアナリストによる発行体への取材等及び情報伝達に関するガイドライン」案を公表、8月20日を期限にパブリックコメントの募集を開始した。このテーマに関しては2014年11月ごろから議論を始め、その後も早耳情報の提供などで問題化する事例が相次いだため、アナリストの行動の在り方に関して業界の慣行を統一する。

  ガイドラインでは、「未公表の決算期の業績に関する情報」の取材などは例外を除き行わないとしたほか、特定の投資者に伝達できる情報は公表済みのアナリストリポートと矛盾せず、投資判断に影響のない範囲に限定されることなどを明記。さらに、未公表の決算期の業績に関する情報を取得した場合、調査部門の審査担当者または管理部門に報告するなど「取材・情報管理・伝達」の考え方をより明確にした。

  日証協の担当者によると、今回のガイドラインはルールではないため、違反があっても処分対象にはならない。一方で、ガイドラインに反する取り扱いの結果、法令違反となることはあり得るという。法令違反の未然防止や不公正な行為を止めさせることで、より適切な慣行を定着させていくのが狙いと説明している。

  コモンズ投信の伊井哲郎社長は、「米国から導入したフェア・ディスクロージャーと英国から導入したスチュワードシップ・コードを本来あるべき形で日本で昇華できれば良いと考えている。今回はセルサイド対象だが、そのための第一歩として評価できる」と指摘。セルサイドで問題を最低限防ぐガイドラインが示され、「次はバイサイドやメディアをどうするかなどのルール決めをフェアにしていく必要がある」と話した。拙速なルールは良くないとしながらも、「情報を発信する企業側の一定のルールも必要」と、伊井社長はみている。

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