日生:フランスやベルギー国債に妙味、欧州ヘッジコストほぼゼロ

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  • フランス15年債は0.55%、20年債0.81%、ヘッジ費用マイナス0.03%
  • 利回り曲線が傾斜化し、ロールダウン効果も期待できる

外国債券を積み増している日本生命保険は、フランスやベルギーの国債に投資している。利回りが比較的高いうえ、ユーロ圏全体に為替リスクのヘッジコストが低いため、日米の国債に比べて投資妙味があるとみている。

  年限15年の国債で見ると、フランスの0.55%やベルギーの0.59%に対して、日本はマイナス圏に陥っている。20年債でもフランスが0.81%、ベルギーが0.67%あり、国際投資部の木村清和外国債券課長は、「米国に比べれば金利は低いが、ヘッジコストもほぼゼロだと思えば日本国債対比でまだ妙味があるといえる」という。

日本生命の筒井義信社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  日本同様にマイナス金利政策を採用しているユーロ圏諸国は金利が低く、日欧の短期金利差で決まる為替ヘッジコストは低い。ブルームバーグの計算では、同コストはマイナス0.03%にとどまっており、日米間の1.48%より低い。

  米長期金利については「上がると思っていないが、かといって日本のようにゼロに沈んでいくとも思っていない」と、1%―2%のどこかで均衡すると予想。米国債投資ではヘッジコスト控除後の利回りは限られるが、「モーゲージ債や社債などスプレッドの取れる債券は多く存在しており、選別投資することで利回りを確保できる」と話す。  

ロールダウン効果

  また木村氏は欧州債について、利回り曲線が右肩上がりに傾斜化しており、保有継続による値上がりを狙う「ロールダウン効果」も合わせたリターンは「比較的妙味のある年限もある」と指摘。特に、フランスの15年国債や20年国債は「バリューが見られる時間帯もある」と述べ、割安なタイミングを見計らって投資していると言う。

  ロールダウンとは、債券を保有し続けることで、受け取り金利に加え、時間の経過とともに保有債券の残存年数が短期化して金利が低下(価格は上昇)することでキャピタルゲインが見込める効果を指す。利回り曲線の傾斜が急なほど収益は大きくなる。

  先進国での低金利が広まる中、少しでも利回りを獲得しようと妙味のある商品には投資家が集中し、木村氏は「金利の方向感は低水準でレンジ相場になってくる」と指摘。レンジの下限付近の場合は、ロールダウン効果を期待して割安なところに投資する一方、上限付近では年限を長期化させる方向で入れ替え、「2ー3年ごとにポートフォリオをメンテナンスし、利回りを高めることが必要」と語った。

オープン外債

  年明け以降は円高リスクが高まっており、日生の外債投資ではヘッジ付きがメインとなっている。木村氏は、為替リスクをヘッジしないオープン外債については「円高トレンドが少し和らいでドル・円相場の下値が固まってくれば積み増しも考えられる」としているものの、「今はまだ円高リスクがそれなりにあると思っているので慎重に考えている」と述べた。

  現行の1ドル=105―106円の水準はしばらく続くと見ているが、「この先、米大統領選や欧州でも政治イベントがあり、また大きなショックが加われば、円高になるリスクはある」と言う。

(第4段落を追加し、更新しました.)
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