日本株反発、1カ月超ぶり円安と経済対策の拡大観測-金融、輸出買い

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21日の東京株式相場は反発。1カ月超ぶりに1ドル=107円台までドル高・円安が進み、企業業績に楽観的な見方が広がったほか、経済対策規模の拡大観測もプラスに寄与した。証券や保険、銀行など金融株、輸送用機器や機械など輸出株、鉱業、海運株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比8.64ポイント(0.7%)高の1339.39、日経平均株価は128円33銭(0.8%)高の1万6810円22銭。

  住友生命保険の岡田允彦ポートフォリオ・マネジャーは、「かなり需給が軽かった中、財政や日本銀行への期待感から日本株が物色されている」と指摘。ただし、投機筋中心の動きとみており、「短期的な過熱感があるのは間違いなく、来週の日銀会合前に材料出尽くしとなり、上値が重くなってしまうのではないか」とも話した。

東証の株価ティッカー

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円は1ドル=106円80銭ー107円40銭台で推移、午前には一時107円49銭と6月7日以来のドル高・円安水準に振れた。前日の日本株終値時点は106円16銭。20日の海外市場ではドルが対円で強含み、英国民投票後の下げを埋めた。ユーロは対ドルで下落。欧州中央銀行(ECB)がきょうの金融政策決定会合で、一段の刺激策を示唆する可能性があるとの見方があった。20日の欧米株は上昇、米S&P500種株価指数は最高値を更新した。

  為替、海外市場の安定に加え、国内の政策期待も支援材料となった。政府は経済対策の事業費を20兆円超とする方向で調整していることが分かった、と共同通信が21日未明に報道。当初の10兆円超からの拡大は、2017年度以降の事業も盛り込んだ上、財政投融資を6兆円増やす影響が大きく、英国のEU離脱に伴う金融不安を防ぐため、企業にドル資金を積極的に貸し出すことも押し上げるという。

  きょうの日本株は反発して始まり、日経平均は午前に一時257円高まで上げ幅を拡大し、6月1日以来の1万6900円台に乗せた。午後は円安の勢いが鈍った影響もあり、株価指数も伸び悩み。東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、日本株は「3月末の水準まで戻り、戻り売りが出せなかった投資家たちも出しやすい水準になった」と言う。

  また、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、ここからの日本株は「政策見極めムードとなりそう。企業の為替前提の多くは1ドル=110円で、さらに円安が進まないと日経平均が1万7000円を抜けて上昇するのは難しい」とみていた。

  東証1部33業種は鉱業、証券・商品先物取引、輸送用機器、保険、海運、機械、非鉄金属、銀行、鉄鋼、その他金融など25業種が上昇。水産・農林、陸運、医薬品、情報・通信、食料品、サービスなど8業種は下落。東証1部の売買高は20億660万株、売買代金は2兆5810億円、上昇銘柄数は1152、下落は690。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループやイマジカ・ロボットホールディングス、ホンダ、パナソニック、野村ホールディングス、サノヤスホールディングス、TDK、デンソー、ペプチドリームが高く、4-6月期営業利益が市場予想を上回ったと21日付の日本経済新聞朝刊が報じたミネベアは急伸。半面、KDDIや小野薬品工業、JR東日本、LINE、花王、アステラス製薬、JR東海は安い。

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