父の言葉が息子を刑務所送りにも-親子の悲劇に転じたバンカー裁判

  • 息子のスチュアート被告はインサイダー取引の罪で裁判
  • 父親は有罪答弁し執行猶予付き判決を受けた

ボブ・スチュアート氏はいつも息子のためにそこにいた。サッカーのコーチとして、ボーイスカウトの指導者として、エール大学を卒業し投資銀行バンカーとなった息子を自慢する父親として。しかし今、自身の言葉が息子を刑務所行きにするかもしれない。

  元ペレラ・ワインバーグ・パートナーズのマネジングディレクター、ショーン・スチュアート被告は25日にインサイダー取引の罪で裁かれる。検察側の重要証拠が、息子の情報漏えいについて父親が友人に伝えた会話の録音という前代未聞の裁判だ。

Former Perella Weinberg Partners Managing Director Sean Stewart, second right, exits federal court on July 15, 2016

Photographer: Louis Lanzano/Bloomberg

  この事件は裁判ドラマであると同時に家族の悲劇だ。ボブ氏は有罪答弁をし、5月に執行猶予付きの判決を受けている。ボブ氏が罪を認めたことでショーン被告は実刑判決を受ける恐れがある。ボブ氏の判決時に同氏の弁護人は、父と子の関係は修復しようがないダメージを受けたと述べていた。

  ショーン被告は罪を免れるために、父親に責任をなすりつけようとするかもしれない。父親が息子との関係を悪用してショーン被告から情報を引き出し、息子が知らない間にインサイダー情報に基づいて取引したと同被告の弁護側が主張する公算が大きいと、事情に詳しい関係者が述べた。

  ショーン被告とボブ氏はコメントしないと、それぞれの弁護士が述べた。

  検察によれば、ショーン被告はJPモルガン・チェースとペレラ・ワインバーグで投資銀行バンカーとして働いていた2011-14年の間にヘルスケア業界の5件の合併について父親に情報を漏らした。ショーン被告はこの代償として父親から2万5000ドル(約270万円)相当を受け取った。ボブ氏は友人のディック・カニフ被告に情報を漏らし、2人は内部情報に基づいた取引で100万ドル余りの利益を得た。そのうち10万ドル程度がボブ氏のものになったという。

  カニフ被告は有罪を認め捜査に協力している。同被告はボブ氏との対話を密かに録音しており、ボブ氏が同被告に、情報に基づいて取引をしないことで息子に責められたと語ったとされている。

原題:Dad’s Tape Could Jail Banker Son Accused of Offering Tips (1)(抜粋)

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