KYB会長:中国の油圧ショベル在庫ほぼゼロに、今後は生産増へ

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  • 市場は改善していないものの生産増加で受注増の可能性も-臼井会長
  • 2010年には世界需要の約半分を占めた中国、直近は日本も下回る

建設機械用の部品を手掛けるKYBの臼井政夫会長は、中国全体の油圧ショベルの在庫が足元でほぼ払底し、今後は生産が増加に転じて自社の受注も増える可能性があるとの見方を示した。

  臼井会長は19日に都内の本社でのインタビューで、中国の油圧ショベルの在庫について、最近まで「市場の需要と生産が合わなかった」とした上で、「今は在庫がゼロになってきた」と述べた。「お客さまが欲しいという台数と生産能力が一致してくるわけで、そういう面ではちょっと生産数が増える」と話し、自社の部品受注も増える可能性があるという。

  中国では成長鈍化に伴って公共工事が減少する中、建設用機械の在庫が増え建機メーカーが影響を受けてきた。部品メーカーも含めて業界各社は生産や雇用の調整などで対応してきた。

  KYBと取引がある日立建機推計によると、中国の油圧ショベル需要は金融危機後の大型公共投資があった2010年には11万1000台で世界全体の半分近くを占めていた。その後は減少し、過去2年間は40%、36%の大幅な下落。今期(2017年3月期)についても6%減の1万8000台程度と日本を下回る水準が見込まれている。同社の辻本雄一社長は6月のインタビューで、中国市場の先行きについて「しばらく復活はない」との見方を示し、「いずれは4万-5万台に戻ると思うが、あれだけの国で日本よりも需要が低い現状は異常だ」と述べていた。

  KYBでも需要減を受け主力製品の油圧シリンダについて、中国の生産ラインを三つから一つに減らし、生産能力を月6000本に半減させてきた。臼井会長は「中国全体の市場が良くなってきたというわけではない」と話し、現地では2年間で200人の人員整理が進行中であるほか、現地生産した部品を日本や東南アジアに振り向けるなどで対応していきたいと語った。

  日立建機の21日株価終値は前日比3.2%高の1650円、コマツとKYBはそれぞれ2.3%高、1.1%高で日経平均株価の上昇率0.8%を上回った。

  ハイトン・インターナショナルの木島務アナリストは、日立建機などが販売している建設機械の稼働時間からすれば、中国の建機市場は表面的には「底を打った感がある」と指摘。一方、販売店や代理店に残る流通在庫の規模を正確に把握することは難しいなど、まだまだ不透明材料が多いとし、「いくつかのポジティブなサインは見うけられるものの、中国市場に対する強気な見方がとれない」と話した。

  建機用油圧機器などハイドロリック・コンポーネンツ事業は自動車用部品と並んでKYBの主力事業だったが、中国事業の不振などで連結売上高に占める構成比は前期実績で27%と12年3月期の41%から低下していた。

(6、7段落目に株価情報と外部コメントを追加しました.)
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