7月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、6週ぶり高水準つける-予想外に強い米経済

19日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇。約6週間ぶりの高 水準に上昇した。米国で発表される経済データの内容から米国の拡大が 示唆され、減速する世界各国と米国との間に差が見られた。

ドルは主要通貨の大半に対して上昇。住宅着工件数が予想以上の伸 びを示し、米景気が勢いを盛り返しているとの見方が広がった。シティ グループの米経済サプライズ指数は2015年1月以来の最高に上昇した。 良好だった雇用統計や小売り統計などが反映された。国際通貨基金 (IMF)は世界経済の成長が今年は上向くとの見通しを取り下げた。 ただ米経済見通しについては6月時点の予想を据え置き、今年の成長率 を2.2%とした。

トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコー ミック氏は「予想外に米国の経済データが持ち直し、市場で予想以上の 勢いが見られる。市場にとって予想していなかった展開だ」と述べ、 「米金融政策当局に話題が戻り始めている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル指数 は0.5%上昇。6月3日以来の高水準をつけた。米ドルは英ポンドや豪 ドルに対して1%超値上がりした。ドルはユーロに対して0.5%高の1 ユーロ=1.1021ドル。円に対しては0.1%未満下げて1ドル=106円12 銭。

金利先物市場が示唆する7月26ー27日の連邦公開市場委員会 (FOMC)での利上げ確率はわずか8%。年末までの利上げ確率 は44%となっている。

19日公表されたIMFの世界経済見通し(WEO)によると、今年 の世界GDP(国内総生産)成長率見通しは3.1%と、4月時点の3.2% から引き下げ、2015年と同じ水準とされた。IMFは英国とEUの当局 者の新たな貿易交渉が行き詰まれば、英国はリセッション(景気後退) に陥ると警告した。IMFチーフエコノミストのモーリス・オブストフ ェルド氏は記者会見で米国の雇用は経済成長を示唆していると述べた。

クレディ・アグリコルCIBの為替ストラテジスト、バシーリ・セ レブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「米国で発表されるデータが非 常に良好なことから、米金融政策当局の動きが一段と重要になるのは明 らかだ」と述べた。

原題:Dollar Rises to 6-Week High as U.S. Growth Surprises on Upside(抜粋)

◎米国株:S&P500種が過去最高値から下落-決算受け懸念広がる

19日の米株式市場ではS&P500種株価指数が過去最高値から下 落。企業決算が強弱まちまちな内容だったことから、相場の一段の上昇 に慎重な見方が広がった。同指数はこの日、2014年以降で最も狭いレン ジで推移した。

相場はこのところ最高値更新が続いていたが、この日はやや向かい 風に苦しむ展開となった。ネットフリックスは契約者の伸びが期待外れ だったことを嫌気し大幅安。フィリップ・モリス・インターナショナル は利益が市場予想を下回ったことを受けて売られた。一方でジョンソ ン・エンド・ジョンソン(J&J)は上昇。利益が市場予想を上回っ た。通常取引終了後の時間外取引ではマイクロソフトが上昇。予想を上 回る決算に反応した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の2163.78で終了。前日まで の6営業日中の5日で最高値を更新していた。ダウ工業株30種平均 は25.96ドル(0.1%)上げて18559.01ドルで引けた。これで8営業日続 伸。過去3年余りで最長の連続高となった。

ミスクラー・ファイナンシャル・グループ(ボストン)の国際株式 担当マネジングディレクター、ラリー・ペルッツィ氏は「相場が最高値 に達し、その後は慎重な動きとなっている」と指摘。「経済指標や企業 決算の発表は続いているが、取引環境は低調だ。英国の欧州連合 (EU)離脱が決定、また7、8月は通常商いが薄い、加えて指数が高 い水準にある状況では投資家は次の買い材料を探し求める。こうした状 況が相まって現在の環境を生み出している」と指摘した。

米国株は英国の欧州連合(EU)離脱決定後の下げから回復。S& P500種は18日終値時点で年初来の上昇率が6%となった。経済に力強 さの兆しが見られることや、金融当局が利上げ時期を遅らせるとの観測 が背景にある。

経済指標の改善を受けて米金融当局が利上げに動くとの予想は徐々 に強まっているが、それでも先物市場に織り込まれる利上げ確率 は、2017年半ばまで50%未満となっている。

英国のEU離脱決定の影響をめぐる懸念は後退したものの、国際通 貨基金(IMF)は世界経済の成長が今年は上向くとの見通しを取り下 げた。英国のEU離脱決定に言及し、投資家や企業の信頼感が揺らげば 打撃はさらに深刻になりかねないと警告した。

一方、米企業決算シーズンではこれまでのところ、予想に対するサ プライズはマイナスよりもプラスの方が多い。アナリストらはS& P500種構成銘柄の第2四半期の純利益について5.8%減を見込んでい る。実際にそうなった場合は5四半期連続での減益で、09年以来で最長 の連続マイナスとなる。

セブン・インベストメント・マネジメント(ロンドン)の投資マネ ジャー、ベン・クマー氏は「米株式相場が過去最高値にある状態でニュ ースを待つ時間が1日あれば、投資家はエクスポージャーを減らす」と 指摘。その上で、「S&P500種が過去最高値にある単純な理由は、米 国がリセッションに陥るとの不安が消え、市場は長期のデフレをもはや 予想せず、雇用回復が幻想に過ぎず本当は弱さを隠しているとの心配が なくなったからだ」と分析した。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。素材やエネルギー が特に下げた。

原題:S&P 500 Slips From All-Time High as Corporate Earnings Weigh(抜粋)

◎米国債:反発、低成長続くとの見方-強気派は10年債利回り1%予想

19日の米国債相場は4日ぶりに上昇。企業決算が失望を誘い低成長 が続くとの懸念から、逃避資産の需要が高まった。

前日に最高値を更新した株式相場がこの日は下げ、10年債利回りは 約3週間ぶり高水準から低下した。6月の米住宅着工件数は予想を上回 る伸びを示したが、5月は下方修正された。

10年債利回りは前日、欧州連合(EU)離脱をめぐる英国民投票が 実施された6月23日以降の最高水準で終えた。国民投票の結果を受けて 米国債相場は急伸し、今月6日には利回りが過去最低の1.318%まで低 下した。この相場上昇は前週の1年ぶりの大幅安で一部反転した。

LPLファイナンシャルの投資ストラテジスト、アンソニー・バレ リ氏は「英EU離脱決定後の急伸の半分を消すだけでも大きな反転だと 言える。そこから幾らか買いが戻っても不思議ではない。米国債市場は 多少安定し始める段階に入った」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.55%。同年債(表面利率1.625%、償還2026年5 月)価格は1/4上昇して100 21/32。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、この日の10年債利回り の取引レンジは3.8bpと、6月22日以降で最小だった。

モルガン・スタンレーとノーザン・トラストは最近の売りを受けて 米国債に強気になっており、10年債利回りは来年までに1%に低下する と予想した。米経済が予想を下回り、利上げが見送られるとの見方が理 由。

モルガン・スタンレーのグローバル金利戦略責任者マシュー・ホー ンバック氏は、今年の米国債相場の上昇を予想。10年債利回りは2017年 1ー3月(第1四半期)に1%に低下するとの見通しを示した。ノーザ ン・トラストのウェルス・マネジメント部門の最高投資責任者、ケイテ ィ・ニクソン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、1 年後の同利回りは2%よりも1%の方に近いと予想した。

マイナス利回りとなっている日本や欧州の国債の代替投資として、 海外から米国債への需要が強まっており、米国の景気が加速する兆候が 表れる中でも利回りは低下している。

金利先物市場が示す年末までの利上げ確率は44%。

原題:Treasuries Snap Losing Streak as Bond Bulls Ponder 1% U.S. Yield(抜粋)

◎NY金:続伸、シティのリスク指摘で銀は8カ月で最長の連続安

19日のニューヨーク金先物相場は続伸。銀先物は過去8カ月余りで 最長の4営業日続落となった。シティグループは銀の投資需要が今年下 期に失速する可能性があると指摘した。

ヒース・ジャンセン氏とデービッド・ウィルソン氏を含むシティグ ループのアナリストは、「年初からの銀価格上昇は既に失速しつつある ようだ」とリポートで指摘。「今年下期は銀価格への楽観を強めないよ う注意した方がよい」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銀先物9月限は前日 比0.3%安の1オンス=20.007ドルで終了。

金先物8月限は前日比0.2%高の1オンス=1332.30ドル。

原題:Silver Posts Longest Slump in 8 Months as Citigroup Flags Risks(抜粋)

◎NY原油:続落、2カ月ぶり安値-ドル高と潤沢な在庫見通し

19日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続落し、約2カ月ぶり安値。ドルの堅 調を嫌気した。20日に米エネルギー情報局(EIA)が発表する週間統 計では、原油の潤沢な在庫水準が示される見通し。ゴールドマン・サッ クス・グループは米原油生産がこれまでの想定以上に減少するとの見方 を示し、原油相場は一時1%上昇する場面もあった。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「相場が上昇した背景にはゴールドマンの 米生産減少見通しと、英国の欧州連合(EU)離脱決定で北海原油施設 の稼働停止が加速するとした別のリポートがあった」と説明。「その後 すぐに、ドルの堅調を嫌気して原油は下げに転じた。原油がドルと同じ 方向に動くのは、この数週間は特に難しくなっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は59セ ント(1.30%)安い1バレル=44.65ドルで終了。終値ベースで5月9 日以来の安値。8月限は20日に最終取引を迎える。ロンドンICEのブ レント9月限は30セント(0.6%)下げて46.66ドル。

原題:Oil Falls to Two-Month Low Amid Dollar Strength, Ample Supply(抜粋)

◎欧州株:3週ぶり高値から反落-薄商いの中、鉱業株とアクゾが安い

19日の欧州株式相場は下落。決算シーズンが本格化する中、指標の ストックス欧州600指数は前日付けた3週間ぶり高値から反落した。鉱 業株の下げが目立った。

英豪系リオ・ティントは3.5%安。4-6月期の鉄鉱石生産が予想 を下回る伸びとなった。指数構成銘柄のうち決算をこの日発表した18社 では、オランダの塗料メーカー、アクゾノーブルが4.3%値下がり。売 上高がアナリスト予想に届かなかったことが嫌気された。

ストックス600指数は前日比0.4%安の337.32で終了。一時は1%下 げた。欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会を21日に控え、この日 の出来高は30日平均を33%下回った。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト調査ではECBは金利を据え置くとみられているものの、英国の 欧州連合(EU)離脱選択を受けて追加金融緩和の兆しが現れるか、ド ラギ総裁の発言を見極めようとする動きが広がった。

EFGアセット・マネジメントの調査責任者、ダニエル・マリー氏 (ロンドン在勤)は「ECB会合が市場が今週注目する大きな出来事 だ。金利は据え置きだろうが、政策発表後のドラギ総裁の発言内容に投 資家らは注目している」と発言。「決算シーズンはまだ始まったばかり だ。これまでは極めて平凡な内容で、市場があまり反応していないのは 恐らくそのためだろう」と語った。

原題:Europe Stocks Drop in Thin Trading as Miners, Akzo Nobel Decline(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債利回りの低下続く-ECB計画で購入対象銘柄減る

19日の欧州債市場ではドイツ国債の利回り低下が続いた。ユーロ圏 内の2銀行によれば、欧州中央銀行(ECB)の債券購入計画で対象と なるドイツ国債が数カ月以内になくなりそうな勢いだ。

ブルームバーグ・ドイツ国債指数によると、1兆1300億ユーロ規模 のドイツ国債のうち60%余りの利回りがECBの購入対象であるマイナ ス0.04%を下回っている。UBSグループやSEBのアナリストらは購 入規則を緩和しない限り、購入対象となるドイツ国債が早ければ8月に もなくなる可能性があると試算している。

UBSの債券ストラテジスト、ニシャイ・パテル氏(ロンドン在 勤)は「現在の利回り水準に基づくと、全てのドイツ国債が6カ月以内 にECBの購入制限に抵触する恐れがあると当社は見込んでいる」と し、それが「1、2カ月」程度に早まる可能性もあると語った。

ドイツ10年債利回りは6日に過去最低となるマイナス0.205%を記 録。10年物を含むドイツ国債全体の約84%の利回りは既にゼロを割り込 んでいる。

ブルームバーグが実施した調査で、エコノミストらはドイツ10年債 利回りの見通しを英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したこ とを受けて引き下げ、年末時点でゼロと予想。国民投票前は0.5%を見 込んでいた。

原題:ECB Fast Exhausting German Bonds for QE Buying as Yields Tumble(抜粋)

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