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IMF:世界成長上向くとの見通し撤回、英EU離脱決定の影響を考慮

  • 2016年の世界GDP成長率予想は3.1%、0.1ポイント引き下げ
  • 英国とEUの交渉が行き詰まれば、影響はさらに深刻に

国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長が今年は上向くとの見通しを取り下げた。英国の欧州連合(EU)離脱決定に言及し、投資家や企業の信頼感が揺らげば打撃はさらに深刻になりかねないと警告した。

  19日公表されたIMFの世界経済見通し(WEO)によると、今年の世界GDP(国内総生産)成長率見通しは3.1%と、4月時点の3.2%から引き下げ、2015年と同じ水準とされた。17年の成長率見通しは3.4%に引き下げ。従来予想は3.5%だった。

  新たな予想は英国とEUの当局者が新たな貿易協定に達し、「経済障壁の大きな高まり」を回避するという想定に基づく。ただ、交渉が行き詰まれば、英国はリセッション(景気後退)に陥り、より多くの金融機関がユーロ圏に移転し、消費や投資は予想以上に縮小するとIMFは予測。「深刻な」シナリオでは、今年と来年の世界成長率は2.8%に減速するとした。

  IMFチーフエコノミストのモーリス・オブストフェルド氏は記者会見用資料で、「英国のEU離脱の実質的影響は時間をかけて緩やかに表れるだろう。経済や政治の不確実要素は増え、何カ月も経ないと解消されない可能性がある」と述べた。

  IMFは英国のEU離脱選択より前の時点では、中国経済が予想より強く、ブラジルとロシアのリセッションが想定より深刻でないと判明したため、世界成長率予想を小幅に上方修正する方針だったことも明らかにした。

  現時点では、IMFは今年の英経済成長率を1.7%(4月時点1.9%)とし、17年成長率予想を0.9ポイント引き下げ1.3%とした。英国のEU離脱の影響は欧州の先進国に集中し、米国や中国など他の国への影響は限定的になると予想している。

uk takes a hit

  IMFは6月23日の英国民投票の結果を受けた直後の市場の反応は「激しかったが全般に秩序あるものだった」と付け加えた。

  米経済見通しについては6月時点の予想を据え置き、今年の成長率を2.2%とした。日本の今年の成長率は0.3%とし、4月時点の予測から0.2ポイント引き下げた。円高が消費増税先送りによる恩恵を相殺するとした。

  中国の今年の成長率予想は0.1ポイント引き上げ6.6%とした。最近の刺激策で短期的見通しが改善したと説明している。ブラジルとロシアの見通しは持ち直したものの、今年の両国経済はなお縮小する見込みだとした。

原題:IMF Scraps Forecast for Global-Growth Pickup on Brexit Fallout(抜粋)

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