超長期債が下落、20年入札に向けた売り-短期的に下落リスクとの声も

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  • 新発20年債利回り0.14%、新発30年債利回り一時0.20%
  • 先物は2銭高の153円12銭で終了、153円24銭まで上昇場面も

債券市場では超長期ゾーンを中心に下落した。20年債入札を翌日に控えて売りが優勢となり、新発20年や30年債利回りは約3週間ぶりの水準まで上昇する場面があった。

  19日の現物債市場で新発20年物の157回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と横ばいの0.13%で開始し、1ベーシスポイント(bp)高い0.14%と、6月24日以来の水準に上昇した。新発30年物の51回債利回りは一時1.5bp高い0.20%と6月24日以来の高水準を付けた後、0.19%に戻している。長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは0.5bp高いマイナス0.23%で開始し、一時マイナス0.24%に低下。再びマイナス0.23%を付けた。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「明日20年債入札があるので超長期債は軟調」だと指摘。ただ、「20年債利回りでは0.2%がバックストップになる。20年入札で0.2%まで付けるとは思わないが、マイナス利回りから良いところまで調整してきた。先物は強いが、年限によって動きが異なる」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前週末終値比15銭安の152円95銭で取引を開始し、直後に152円94銭を付けた。その後は水準を切り上げ、一時は14銭高の153円24銭まで上昇した。取引終了にかけて伸び悩み、結局は2銭高の153円12銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「米国債の続落やトルコのクーデターは失敗もあってリスクセンチメントが巻き戻される中、売り優勢でスタートしたが、日銀買いオペ実施で先物主導で急速に戻して堅調な展開」と説明した。「明日の20年債入札を控えた持ち高調整圧力も予想されるが、一方で利回り水準自体はかなり調整したことで、押し目買いの需要が強いのではないかといった見方もある」と話した。

  前日の米国債相場は続落。米10年物国債利回りは前週末比3bp上昇の1.58%程度で終えた。一時1.60%と英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の結果が判明する前の6月23日以来の高水準を付けた。前週末にトルコで発生した軍部の一部によるクーデターは失敗に終わった。中東情勢も含めた政情不安を背景に先行した米国債買いが一転して、売りが優勢となった。

  日銀がこの日実施した今月7回目となる長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率が3.32倍と前回の3.16倍から上昇した。一方、物価連動債は5.99倍と前回の7.72倍から低下した。

20年債入札

  財務省は20日に20年利付国債の価格競争入札を実施する。発行額は1兆1000億円程度。157回債のリオープン発行となり、表面利率は0.2%に据え置かれる見込み。

  20年入札について、BNPパリバ証の藤木氏は、「少しは流れるかもしれないが、0.2%が視野に入る水準になれば強い需要が見込める。ドル調達コストが上昇しており、超長期債の割高さがはく落している状況。円債で超長期債が選択肢になりやすい」と分析した。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「短期的には調整継続リスクがある」としながらも、「中長期的な目線なら20年債入札前後で一定量をしっかり確保しておきたい」と指摘した。「米経済指標堅調も米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げしにくい環境。英EU離脱交渉は長期化の公算。海外からの金利上昇圧力は和らいでくる」とみている。

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