7月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円下落、クーデター失敗で安全資産に売り

18日のニューヨーク外国為替市場で円が下落。トルコのクーデター 未遂後の動揺に世界的に市場が持ちこたえたことを背景に、安全資産に 売りが出た。

円は対ドルで最大1.3%下げ、終値ベースでは3週ぶり安値。円は 主要31通貨のうち1通貨を除いてすべてに対して下落。トルコ・リラや 南アフリカ・ランドといったリスクの高い通貨は上昇した。トルコのエ ルドアン政権転覆を狙う試みは失敗した。

HSBCホールディングスの米通貨戦略責任者、ダラフ・マー氏 (ニューヨーク在勤)は「市場参加者はトルコのクーデター未遂をまだ 消化しようとしている。状況は落ち着き始めている」と述べ、「クーデ ターが未遂に終わったとのニュースが流れると円は下げた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで1.2%安の106円16 銭。リラは1.3%高の1ドル=2.9773リラ。

菅義偉内閣官房長官は、今月末をめどに取りまとめる経済対策の財 源として赤字国債を発行しない方針を明らかにした。16日にブルームバ ーグのインタビューで話した。

ソシエテのグローバル・ストラテジスト、キット・ジャックス氏は 「トルコのクーデター失敗は国内問題であり、すぐに過ぎ去るだろう」 と述べた。一方でトルコが外国での資金調達に依存しているため、リラ 高は「これ以上大きく進行できない」と予想、「市場全体への意味合い は限定的だ」と続けた。

原題:Yen Falls to 3-Week Low as Failed Turkey Coup Cuts Haven Demand(抜粋)

◎米国株:上昇、S&P500種は最高値更新-M&Aや決算好感

18日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は終値ベースで過 去最高値を更新した。終値での最高値更新はここ6営業日で5回目。 M&A(企業の合併・買収)の影響でテクノロジー株が買われた。また 複数の企業決算を受けて、今決算シーズンは株式相場を最高値水準で維 持するのに十分な力強さを見せるとの楽観も強まった。

ソフトバンクグループによる英半導体設計会社ARMホールディン グス買収合意を受け、半導体株が上昇。指数のウエートが高いテクノロ ジー銘柄であるアップルやアルファベットも高い。バンク・オブ・アメ リカ(BofA)は、決算で主要4事業が全て増益となったことを好感 し買われた。一方で玩具メーカーのハズブロは下落。男児向け部門の売 上高が期待外れな内容だったことが嫌気された。また原油の値下がりを 手掛かりにエネルギー株も安い。ダウ工業株30種平均は5営業日連続で 終値ベースの最高値を更新した。通常取引終了後の時間外取引ではネッ トフリックスが急落。四半期決算が期待外れな内容だったことが嫌気さ れた。

S&P500種株価指数は前週末比0.2%高の2166.89。ダウ工業株30 種平均は16.50ドル(0.1%)上げて18533.05ドル。

レコン・キャピタル・パートナーズの最高投資責任者(CIO)、 ケビン・ケリー氏は「市場の注目は企業決算、特に会社予想であり、経 済や選挙の影響にも目を向けている。またドルの動きがどう事業環境に 影響するかも重視している」と指摘した。

今週はS&P500種指数の構成銘柄のうち90社余りが決算を発表す る。アナリストらは第2四半期の利益について5.8%減を予想。実際に そうなれば、5四半期連続での減少となり、2009年以来で最長となる。 先週発表されたJPモルガン・チェースやアルコアの決算では利益が市 場予想を上回った。

通常取引終了後に発表されたネットフリックスの7-9月(第3四 半期)決算では、新規契約数が市場予想を下回った。また一部の既存顧 客に対し値上げを実施したことがキャンセル増加を招いた。ネットフリ ックス株は時間外取引でニューヨーク時間午後4時39分現在、16%安。 一方、IBMは3.1%上昇。売上高が予想を上回った。

経済指標の改善を受けて米金融当局が利上げに動くとの予想は徐々 に強まっているが、それでも先物市場に織り込まれる利上げ確率 は、2017年半ばまで50%未満となっている。

ジュリアス・ベア・グループの調査責任者、クリスチャン・ガティ カー氏は「市場はトルコ情勢に対してかなりの耐性を見せているよう だ。鍵となるのは金融政策をめぐる見通しだ」と分析。「金融当局が支 援を続けるとの期待が広く見られる。企業決算は米国で通常見られる形 に沿っている。つまり会社予想を低くし、上向きのサプライズをもたら すというパターンだ」と述べた。

S&P500種の業種別10指数では情報技術株の指数が特に上げ、昨 年12月4日以来の高水準となった。一方で生活必需品や資本財・サービ スは下落した。

原題:S&P 500 Closes at Record Amid Deal Activity, Corporate Earnings(抜粋)

◎米国債:下落、利回りが上昇する中で予想の下方修正続く

18日の米国債相場は下落。年初来の予想外の利回り低下を受けて利 回り見通しを下方修正してきたストラテジストは現在、利回り上昇とい う新たなサプライズに直面している。

ブルームバーグの7月調査によると、今年末の10年債利回りの予想 中央値は1カ月前と比べて0.5ポイント近く低下した。年初に利回り上 昇を予想していたストラテジストは、下方修正を繰り返してきた。

皮肉にもエコノミストが予想変更を示すにつれ、米国債は方向を転 換し、先週は週間ベースで相場は年初来で最大の下げとなった。米経済 の先行きが明るくなり、英政治情勢をめぐる不透明感が弱まったため、 逃避資産としての需要が薄れた。この日、10年債利回りは3週間ぶりの 高水準に達した。トルコで15日に発生したクーデターが失敗に終わり、 エルドアン大統領が権力を保持したことが背景にある。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏は「今回の揺り戻しは多くの参加者にとってやや意外 だろう。しかし、12月31日ではなく、まだ7月で、時間はたっぷりあ る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.58%と、終値ベースとして6月23日以来の高 水準を付けた。先週は19bpと、2015年6月以来の大幅な上昇。6日に は1.318%と、過去最低を記録していた。同年債(表面利率1.625%、償 還2026年5月)価格はこの日9/32下落して100 12/32。

昨年12月31日時点の10年債利回りは2.27%。同月の2016年末の予想 中央値は2.78%への上昇だった。当時は米経済の力強さが増し、金融当 局が今年4回の利上げを予想していた。

しかし、中国を中心とした景気減速や英国の欧州連合(EU)離脱 を問う国民投票など世界的な材料を受けて、安全な資産に資金が向か い、世界のソブリン債利回りは軒並み過去最低を更新した。

ブルームバーグがエコノミスト66人を対象に今月8日から13日にか けて実施した調査によれば、年末の10年債利回り予想中央値は1.70%。 6月調査では2.14%だった。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「利回りは明らかになお低下する可能性がある」としながらも、「絶対 的な水準はもはや問題ではなく、利回りが米国よりも低い他の地域との 比較が問題だ」と指摘した。

原題:Treasuries Strategists Cut Forecasts Again, Just as Yields Climb(抜粋)

◎NY金先物:小幅反発、「SPDR」からの資金流出過去8カ月で最大

18日のニューヨーク金先物相場は小幅反発。スポット相場は下落し た。米経済見通しの改善で、金連動型上場投資信託(ETF)への需要 は減退した。ブルームバーグがまとめたデータによれば、「SPDRゴ ールド・シェアーズ」からの資金流出額は先週7億9300万ドルと、昨 年11月以来の最大となった。

シンクマーケッツUKのチーフ市場アナリスト、ナイーム・アスラ ム氏は「先週米国で発表された経済指標は望みが持てるもので、近い将 来の利上げの確率が高まった」と電子メールで指摘。SPDRからの資 金流出は「主にこれが理由だ」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後1時55分 現在、金スポット相場は前週末比0.6%安の1オンス=1329.58ドル。金 先物8月限は0.1%高の1329.30ドルで終了。

原題:Investors Pull Most Money Out of SPDR Gold in Eight Months (抜粋)

◎NY原油:反落、トルコ原油輸送はクーデター未遂後も滞らず

18日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が反落。先週トルコで起きたクーデター の試みが未遂で終わる前の値上がり分を帳消しにし、同国の港やパイプ ラインを通じた原油輸送が続いていることから売りが優勢となった。

コンサルタント会社エナジー・アスペクツ(ロンドン)の主任石油 エコノミスト、アムリタ・セン氏はトルコの情勢について「落ち着きを 取り戻したとは言いがたい。在庫が取り崩されるようなタイトな需給環 境であればこれが大きく影響するが、今は影響を吸収する十分な在庫が ある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前営 業日比71セント(1.55%)安い1バレル=45.24ドルで終了。ロンドン ICEの北海ブレント9月限は65セント(約1.4%)下げて46.96ドル。

原題:Oil Drops as Flows Unhindered Following Coup Attempt in Turkey(抜粋)

◎欧州株:上昇、ARMなど半導体株高い-ソフトバンクが買収合意

18日の欧州株式相場は値動きの荒い展開となったものの、終盤に買 いが膨らみプラス圏で終了した。英半導体設計のARMホールディング スを中心に半導体株が買われた。ソフトバンクグループがARMの全株 式を現金243億ポンド(約3兆4170億円)で取得することで合意し、手 掛かりにされた。

ARMは41%高と急伸し、上場来高値を記録した。同業のダイアロ グ・セミコンダクターとamsも買われ、テクノロジー銘柄指数は昨年 8月以来の大幅高となった。鉱業株が一時の下げを消した一方、原油安 を背景に石油・ガス銘柄は値下がりした。

指標のストックス欧州600指数は前週末比0.2%高の338.70で引け た。トルコのクーデターが失敗に終わり、相場は底堅さを発揮した。英 国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したものの、主要中央銀行 がこうした影響を抑制するとの観測が広がり、同指数は先週、週間ベー スで過去3週のうち2回目の上げとなった。この日の引けで国民投票実 施日の水準まで2.2%に迫った。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)のファンドマネジャー、ピエー ル・ムートン氏は、「トルコでのクーデター失敗が欧州株の追い風とな り、ECBが今週の政策会合で景気支援に向けた追加緩和策ないしは各 国政府への財政出動呼び掛けを発表するとの観測を強めた」と発言。 「M&Aは今後も続くだろう。金利がマイナスで現金を保有していても 得にならないほか、極めて低い資金調達コスト、健全なバランスシー ト、成長機会が数少ないことなどがこうした流れを後押しする。(被買 収企業の)バリュエーションも大半は許容範囲だ」と続けた。

ストックス600指数は日中高値の0.8%高を消し、下げに転じる場面 もあった。この日の出来高は30日平均を約35%下回る水準。予想収益に 基づく指数構成銘柄の平均株価収益率(PER)は14.9倍と、MSCI オールカントリー世界指数の15.7倍を下回る。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト調査によれば、欧州中央銀行(ECB)は21日の定例政 策委員会で政策金利を据え置くと見込まれている。

原題:European Stocks Advance as ARM Holdings Leads Chipmakers Higher(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇-英EU離脱で利回り低下との見方

18日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。英国が欧州連合(EU) 離脱を選択したことを受け、エコノミストらはドイツ10年債利回りの予 想を引き下げ、年末までにゼロへと修正した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト20人を対象にした調査の中 央値によれば、ドイツ10年債利回りは年末時点でゼロとなる。5人はマ イナスに落ち込むと予想。6月23日の国民投票前の予想中央値は0.5% だった。2017年末の予想は1%から0.5%に引き下げられるなど、6月 の調査と比べ、全ての予想期間で中央値は少なくとも40ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下した。

コメルツ銀行の債券ストラテジー責任者、クリストフ・リーガー氏 (フランクフルト在勤)は「英国のEU離脱をめぐる不透明感を背景と した世界的な国債利回り押し下げは、いっそう顕著になりそうだ」と し、「米国を除く主要国・地域の中央銀行は緩和姿勢に入るだろう」と 指摘した。

ロンドン時間午後4時8分現在、欧州債の指標とされるドイツ10年 債利回りは前週末比3bp低下のマイナス0.023%。同国債(ゼロクー ポン、2026年8月償還)価格は0.295上げ100.235。先週は週間ベースで 利回りが20bp上昇し、年初来最大の上げとなっていた。

原題:Economists Cut German Yield Forecasts After U.K.’s Brexit Vote(抜粋)

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