フランス:ニースのテロで84人死亡、202人負傷-過激派関連見えず

更新日時
  • 革命記念日のテロ攻撃で84人死亡、202人負傷
  • フランス在住のチュニジア人の犯行、過激派との関係は見つからず

パリの同時多発テロから8カ月、フランスをまたも残虐非道なテロが襲った。革命記念日の祝日でにぎわう南仏の観光地ニースでトラックが遊歩道に突っ込むというテロが発生、84人が死亡し202人が負傷した。当局は容疑者を特定したが、窃盗や家庭内暴力の前科はあるものの過激派とのつながりは見つかっていない。

  フランス在住のチュニジア人男性、モハメド・ラフイジャ・ブフレル容疑者は19トンの冷凍冷蔵トラックをレンタルし、ニースの海岸沿いの遊歩道を2.3キロにわたり暴走した。パリの対テロ検察官、フランソワ・モラン氏が記者団に述べた。犠牲者には10人の子供やティーンエージャーが含まれた。容疑者は警官に射殺される前に7.65ミリ口径の自動小銃で応戦したという。

  「(いかなるグループからも)犯行声明は出ていない」とモラン検察官が述べた。「しかし、これはテロリストグループがオンラインであおっている類いの行動だ」とし、容疑者とテロ組織の関連について捜査していくと述べた。

  オランド大統領は予備軍を動員し、解除を考えていた非常事態宣言を延長した。「恐ろしい事件が再びフランスを襲った」と大統領は15日早朝に演説して述べた。

  フランスでの大規模テロは2015年1月のシャルリー・エブド襲撃事件以来3回目。11月には同時多発テロで130人が犠牲になった。過去1年半の間にはその他4件の小規模な事件があり、死者数は240人近くに上っている。

テロ現場の救助要員

Photographer: Valery Hache/AFP via Getty Images

 6月には米フロリダ州オーランドで銃撃事件があった。欧米では過激派組織「イスラム国」に共鳴する個人やグループによる暴力行為が相次ぐ。移民問題での不満や政治的支配階級への反感で、社会には大衆迎合的風潮が広がっている。

  コンサルティング会社ユーラシア・グループのトップ、イアン・ブレマー氏は「欧州とは何を表しているのか自らが見失っている今、こうした事件は欧州を弱体化させる」とし、「移民への怒りは強まるだろう」と話した。

  これまでのフランスでのテロと3月のブリュッセルのテロで、犯人の大半は移民の家系の出身でイスラム教徒だった。ニースでトラックを運転していたのはチュニジア出身の31歳のフランス人男性だったと仏メディアが報じた。

テロ現場の地図

Bloomberg

  フランスとベルギーという欧州の中心への攻撃は、欧州連合(EU)のリーダーらに安全保障および政治的な難題を突き付ける。テロリストは自らの行動について、打倒イスラム国を掲げるEUへの報復だと主張している。オランド大統領はニースの事件への対応としてシリアとイラクの「イスラム国」拠点への空爆を激化させると述べた。

テロ現場から運ばれる負傷者

Phtoographer: Olivier Anrigo/EPA

  「自由・平等・友愛をたたえるイベントがテロの標的になるとは悲劇的な矛盾だ」とEUのトゥスク大統領がツイッターでコメントした。

原題:France in Convulsions as Third Big Terror Attack Upends Hollande(抜粋)
France in Shock as More Than 84 Die in Nice Terror Attack (1)
French Killer Not on Terror List But Used Islamic State Tactics

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