【債券週間展望】長期金利上昇か、経済対策にらみ-20年債入札焦点

  • やや軟調なもみ合いか-岡三証券の鈴木氏
  • 日銀の金融政策をめぐる思惑に注目-パインブリッジ

来週の債券市場で長期金利は上昇が予想されている。政府による景気対策の策定を控える中、財政を日銀が賄うヘリコプターマネー政策などへの警戒感から売り圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは15日、一時マイナス0.225%と1日以来の高水準を付けた。ヘリコプターマネー永久国債発行に関する報道を受けて、円安・株高が進んだほか、景気対策に伴う国債増発への懸念が高まった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、来週の債券相場について、「経済対策にらみと日銀決定会合待ち。やや軟調なもみ合い」と予想する。

  日銀は今月28、29日に金融政策決定会合を開く。一方、政府は安倍晋三首相が指示した経済対策について10兆円規模を軸に調整に入っている。事情に詳しい当局者が明らかにした。財源については2015年度の決算剰余金や国債金利の低下に伴う利払い費の減額、建設国債などを想定している。政府は月内の取りまとめに向け、今後、与党側と調整する。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「追加緩和があるのかどうか。あるならどのような手法でやるのか。ないなら5年債などの水準は買われ過ぎなので金利上昇してもおかしくない」と指摘。「日銀の買い入れ額がどうなっていくかも焦点。ヘリコプターマネーで買うのか、それとも柔軟化して減らしていく方向性なのか。それによって利回り曲線の形状が変わってくる」と語った。

  来週の国債入札は20年物と流動性供給が予定されている。20日の20年債入札は157回債のリオープン発行となり、表面利率は0.2%に据え置かれる見込み。発行予定額は1兆1000億円程度。一方、22日の流動性供給入札は、発行予定額が5000億円程度。残存期間は5年超から15.5年以下が対象となる。

  20年債入札について、岡三証の鈴木氏は「0.2%程度がめどで調整含みの展開が続くのではないか。若干スティープ化が予想される。20年金利は10年金利プラス40ベーシスポイント(bp)までではないか。10年金利がどこまで上昇するかだが、プラス40bpなら0.2%ぐらいが目線ではないか」と予想する。  

市場関係者の見方
*T
◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*日銀の金融政策をめぐる思惑に注目
*20年債入札は、マイナス金利ばかりなのでプラス金利の年限は買いに向かいやすい
*長期金利の予想レンジはマイナス0.27%~マイナス0.18%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*金融政策決定会合の結果を確認するまでは、あまり大きな動きにはならない
*円安・株高や景気対策への警戒感が上値を抑えるが下値も限られる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.27%~マイナス0.20%

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト
*円債のロングポジションを保有している場合、短期的にややリスク量を落とした方が良いタイミング
*7月会合で緩和が実施される可能性は高いとみられる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.30%~マイナス0.10%
*T

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